交通事故慰謝料の相場|いくらもらった?事例で損害賠償を解説
交通事故の慰謝料相場はどのくらいなのか…
慰謝料をいくらもらったのか誰かに聞いてみたい…
お金のことは気になるけど、誰に聞いたらいいのか、どうやって調べたらいいのか、分からずお困りではないでしょうか。本記事では、交通事故で実際に支払われた慰謝料などの損害賠償の事例を紹介しています。
保険会社と示談する前の参考にぜひ、ご覧ください。
慰謝料(=損害賠償)いくらもらった?事例で相場調査
慰謝料の相場調査はネット掲示板・ブログより判例?
交通事故慰謝料の相場を調べるにあたって手軽な方法と言えば、インターネットの利用だと思います。ネット掲示板や個人のブログなどを見てみると、経験者の生の声が多く寄せられているので情報源の一つとして活用するのは良いと思います。
しかし、このような情報サイトを見るうえでいくつか注意していただきたい点があります。
情報サイトの注意点
- 素人の回答や意見が多いことを認識する
- 偏った情報かもしれないこと
- 信ぴょう性のない情報である可能性がある
- 故意に嘘の情報が広められることもある
手軽に情報を仕入れることができる情報サイトですが、交通事故の慰謝料といった法律の専門知識を要する分野に対応しているかどうかの見極めは非常に重要になります。
そこで、「判例」から慰謝料相場を確認する方法をご紹介したいと思います。
判例とは、過去に行われた裁判で裁判所が言い渡した法的な判断結果をいいます。交通事故の慰謝料がいくらもらえるかを、このような判例から予測することができます。本記事では、いくつか判例を調査してみました。
調査結果の結論からいうと、交通事故の慰謝料は、『年齢、年収、傷害の有無や程度、治療期間、後遺障害の有無や程度』などさまざまな要素から総合的に判断されることで金額が決まることが分かりました。
とはいえ、先例を確認しておくことは交通事故の慰謝料相場をおさえるうえで非常に大切です。しっかり見ていきましょう。
相場調査①主婦の慰謝料
主婦の場合の交通事故慰謝料(=損害賠償)を判例で調査すると、
- 約167万円
- 約364万円
- 約286万円
このような金額を見つけることができました。
判例の内容や、金額算定の背景については関連記事をご覧ください。
<関連記事>主婦|交通事故の慰謝料相場
相場調査②学生の慰謝料
学生の場合の交通事故慰謝料(=損害賠償)を判例で調査すると、
- 約214万円
- 約1664万円
- 約4314万円
このような金額を見つけることができました。
判例の内容や、金額算定の背景については関連記事をご覧ください。
<関連記事>学生|交通事故の慰謝料相場
相場調査③子供の慰謝料
子供の場合の交通事故慰謝料(=損害賠償)を判例で調査すると、
- 約43万円
- 約2174万円
- 約1億2013万円
このような金額を見つけることができました。
判例の内容や、金額算定の背景については関連記事をご覧ください。
<関連記事>子供|交通事故の慰謝料相場
相場調査④高齢者の慰謝料
高齢者(老人)の場合の交通事故慰謝料(=損害賠償)を判例で調査すると、
- 約863万円
- 約559万円
- 約1152万円
このような金額を見つけることができました。
判例の内容や、金額算定の背景については関連記事をご覧ください。
<関連記事>高齢者(老人)|交通事故の慰謝料相場
相場調査⑤サラリーマンの慰謝料
サラリーマンの場合の交通事故慰謝料(=損害賠償)を判例で調査すると、
- 約166万円
- 約1822万円
- 約4519万円
このような金額を見つけることができました。
判例の内容や、金額算定の背景については関連記事をご覧ください。
<関連記事>サラリーマン|交通事故の慰謝料相場
相場調査⑥自営業の慰謝料
自営業(個人事業主)の場合の交通事故慰謝料(=損害賠償)を判例で調査すると、
- 約88万円
- 約288万円
- 約226万円
このような金額を見つけることができました。
判例の内容や、金額算定の背景については関連記事をご覧ください。
<関連記事>自営業・個人事業主|交通事故の慰謝料相場
慰謝料は損害賠償の一部?内訳の解説
交通事故の慰謝料というと、交通事故によって被ったすべての損害に対して支払われる金銭というイメージがあるかもしれません。もっともこのイメージは、慰謝料という言葉の本来の意味からすると正確ではありません。慰謝料は精神的苦痛に対して支払われる補償です。金銭によって精神的ダメージの回復がはかられます。
したがって、交通事故における慰謝料は、治療費や休業損害などと並んで損害賠償の一部と言えます。言い換えると、損害賠償はさまざまな損害項目を合計したものということになります。
損害賠償の主な内訳は以下のような項目になります。
<簡単>慰謝料計算機
交通事故の慰謝料は、損害賠償の一部であることが分かりました。損害賠償の総額を算出するには、まず項目ごとに計算していく必要があります。一つずつ計算するとなると手間もかかりますし、計算にはコツがいったりして少々複雑です。
そこで、損害賠償が自動で計算される計算機を用意しました。
年齢・年収・後遺障害等級などの項目を入力するだけで、損害賠償の金額をチェックすることができます。保険会社から示談金の提示をすでに受けた方も、これから示談交渉の段階にすすむという方も、ぜひお試しください。
交通事故の慰謝料は基準ごとに相場が違う?
交通事故の損害賠償を算定する際には、基準が用いられることになります。損害賠償のなかでも特に慰謝料は基準の存在が欠かせません。精神的苦痛の感じ方は人それぞれなので、人それぞれの精神的苦痛をばらばらに算定していると不公平が出てきますし、予測も困難になります。そこで、基準がもうけられることになったのです。
ここで注目していただきたいのは、基準の種類は3つあるということです。3つの基準のなかから一つが選ばれて金額が算出されます。基準はそれぞれ異なる金額が設定されており、どの基準を使って算定するかで金額は大きく異なります。
3つの基準
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
3つの基準のなかで弁護士基準で算出した場合に最も高額な慰謝料を得ることができます。ここからは、算出基準ごとにどの程度の金額差があるのか、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料で確認してみたいと思います。
入通院慰謝料の相場|3基準の違い
入通院慰謝料は、怪我の治療のため病院などに入院・通院した治療期間の合計で金額が決まります。通院を1ヶ月・3ヶ月・5ヶ月・7ヶ月・9ヶ月した場合における慰謝料相場はつぎの通りです。
入通院慰謝料の一例
自賠責基準(自賠)/任意保険基準(任意)/弁護士基準(弁護士)
自賠* | 任意 | 弁護士 | ||
---|---|---|---|---|
軽症 | 重症 | |||
1ヶ月 | 12.6 | 12.6 | 19 | 28 |
3ヶ月 | 37.8 | 37.8 | 53 | 73 |
5ヶ月 | 63 | 56.7 | 79 | 105 |
7ヶ月 | 88.2 | 70.6 | 97 | 124 |
9ヶ月 | 113.4 | 81.9 | 109 | 139 |
単位は万円
* 通院日数を月の半分以上で計算。(1ヶ月なら15日以上、3ヶ月なら45日以上の通院です。)
通院期間にもよりますが、一番低い金額と一番高い金額では約1.5~2倍ほどの金額の開きが基準間でみられます。
関連記事では紹介した通院期間以外の入通院慰謝料についても細かく解説しています。あわせてご覧ください。
<関連記事>1ヶ月~9ヶ月までの入通院慰謝料
後遺障害慰謝料の相場|3基準の比較
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級別の金額が決められています。等級は、症状の程度・重さに応じて1~14段階で分けられています。等級別の金額相場はつぎの通りです。
後遺障害慰謝料の一覧表
自賠責基準(自賠)/任意保険基準(任意)/弁護士基準(弁護士)
自賠 | 任意*² | 弁護士 | |
---|---|---|---|
1級 | 1600*¹ | 1900 | 2800 |
1100 | |||
2級 | 1163*¹ | 1500 | 2370 |
958 | |||
3級 | 829 | 1250 | 1990 |
4級 | 712 | 950 | 1670 |
5級 | 599 | 750 | 1400 |
6級 | 498 | 600 | 1180 |
7級 | 409 | 500 | 1000 |
8級 | 324 | 400 | 830 |
9級 | 245 | 300 | 690 |
10級 | 187 | 200 | 550 |
11級 | 135 | 150 | 420 |
12級 | 93 | 100 | 290 |
13級 | 57 | 60 | 180 |
14級 | 32 | 40 | 110 |
単位は万円
*¹ 介護を要する場合
*² 旧任意保険の支払基準
等級にもよりますが、一番低い金額と一番高い金額で、約2~3倍ほどの金額の開きがみられます。
関連記事では後遺障害慰謝料に関して細かく解説しています。あわせてご覧ください。
<関連記事>等級ごとの後遺障害慰謝料について
まとめ
交通事故の慰謝料(=損害賠償)の相場は、判例を調べることで目安を知ることができます。もっとも、損害賠償の金額は年齢・年収、怪我の程度や後遺障害の有無など、個別のさまざまな事情を反映することで算定が可能になります。
ご自身がお困りの交通事故に関する損害賠償の具体的な金額を知りたいという方は、交通事故の解決実績が豊富な弁護士に一度相談してみることをおすすめします。
交通事故の慰謝料相場に関するQ&A
慰謝料相場はどこで調査すべき?
交通事故慰謝料の相場を調べるにあたっては、「判例」を確認することをおすすめします。判例は過去に裁判所が言い渡した法的な判断結果です。判例を見ることで交通事故の慰謝料で得られる上限を知ることができます。
慰謝料は損害賠償の一部って本当?
慰謝料の正確な意味からいうと本当です。慰謝料は、「精神的苦痛に対して支払われる補償」のことで、金銭によって精神的ダメージの回復がはかられます。慰謝料は、治療費や休業損害などと同じように損害賠償の一項目です。言い換えると様々な損害項目を合計したものが損害賠償ということになります。
入通院慰謝料はいくらもらえる?相場は?
入通院慰謝料は、治療にかかった期間の合計で金額が決められます。また、算定に用いる基準によっても金額が変わってきます。たとえば、1か月間通院した場合の入通院慰謝料は、自賠責基準・任意保険基準:12.6万円、弁護士基準:28万円(重症)となります。
後遺障害慰謝料はいくらもらえる?相場は?
後遺障害慰謝料は、認定を受けた後遺障害の等級で金額が決まります。また、算定に用いる基準によっても金額が変わってきます。たとえば後遺障害3級の場合の後遺障害慰謝料は、自賠責基準で829万円/任意保険基準で1250万円/弁護士基準で1990万円、となっています。