交通事故の慰謝料は15日の通院期間でいくら?通院日数別の金額表あり
交通事故の慰謝料について15日の通院期間だった場合をまとめました。
15日の通院期間ですが、慰謝料を算定する時には実際に通院した日数が重要になります。
まずは、計算の考え方を確認し、それから慰謝料の相場を見ていきましょう!
交通事故の通院慰謝料の考えかた
交通事故の慰謝料とは、被害者が負った精神的苦痛を金銭を支払うことでやわらげたり、取り除くことを目的としています。
ですが、精神的苦痛というのは人によって違います。
そこでどれくらいの間、精神的苦痛を負ったかを「ものさし」として、金額を決めているのです。
通院慰謝料とは、怪我の治療のために病院へ通院しなくてはいけないという精神的苦痛に対する慰謝料です。
ですから、通院の長さがポイントになりますね。
「通院期間」と「通院日数」のちがい
通院の長さの考え方は2通りあげられます。
通院の長さ
(1)通院期間
(2)通院日数
(1)通院期間とは、通院にかかった期間のことです。
交通事故の被害にあい、最初に病院を受診した日を起点にします。
そして、医師により治療が終わったとされた日が終点になります。
(2)通院日数とは、通院期間中に実際に通院した日数のことです。
15日の通院期間のうち、毎日通院した人もいれば、3日に一度(計5日)の人もいるでしょう。
それは怪我の内容や、症状の強弱にもよりますね。
「通院期間」と「通院日数」の意味の違いを理解しておくと、交通事故の通院慰謝料はぐんと計算しやすくなります。
ちなみに、通院期間に対して通院日数が少ないと、様々なデメリットが考えられます。
デメリットのひとつには、治療費の打ち切りがあげられます。
通院期間のうちの通院日数の頻度が低いと、相手方の保険会社からは「もう治療の必要はないのか」と思われてしまうかもしれません。
一方で毎日通院することが長く続けば、「本当に通院実績はあるのか」や「通院先での治療の効果がないのでは?」とあらぬ疑いがかかる可能性もあります。
もちろん、毎日の通院が必要なことは十分にあります。交通事故の直後は「急性期」とも言われ、痛みや症状の出方がきつかったりするからです。
つまりは、トータルの通院期間のなかで適切な頻度で通院しているかということが重要です。
医師の指示をよく聞き、治癒を目指して適正な通院日数を守りましょう。
交通事故慰謝料の3つの算定基準
交通事故の慰謝料の求め方はひとつではなく、複数の算定方法があります。
▼慰謝料算定の3基準
- ① 自賠責保険の基準
- ② 任意保険の基準
- ③ 弁護士基準
3つの算定方法のうち、最も慰謝料の相場が高くなるとされるのは弁護士基準です。
それぞれ基準ごとの算定ルールを知っておきましょう!
①自賠責保険の基準
相手方が加入している自賠責保険会社の基準。
自賠責保険は自動車の運転者に加入義務がある。
自賠責保険の基準は統一されているので、相手方が加入している自賠責保険がどこの保険会社でも、被害者にとっての損得はない。
一つ目は、自賠責保険の基準です。
下記のような計算式で、通院慰謝料を算定します。
計算式
入院日数 × 4,200円 + 通院期間(実治療日数 × 2)* × 4,200円
あるいは
入院日数 × 4,200円 + 通院期間 × 4,200円*
※通院期間は短い方を採用
自賠責保険の基準で計算する時は、実際に入院した日数+通院した日数の2倍と入通院期間の日数を比較して、少ない方を計算に使用します。
入院なしで通院期間が15日間
↓
- 通院した日数が8日以上:「15日(入通院期間)」で計算
- 通院した日数が7日以下:「実際に通院した日数の2倍」で算定します。
②任意保険の基準
相手方が加入している任意保険会社の基準。
自賠責保険とは違い、自動車の運転者が任意で加入している。
統一された基準はなく、各保険会社に設定がゆだねられている。
被害者自身ではなく、相手方が加入している保険を使うことがポイントです。
任意保険会社の基準は、以前は一律で統一されていました。
現在も、以前の統一基準を用いている任意保険会社が多いそうなので、参考程度に、過去の統一基準を掲載します。
自賠責保険の基準のように計算式は使いません。
ただし、この表は1ヶ月あたりの実際の通院日数が15日以上の場合に適用されていたようです。
原則としては、まず通院期間は15日なので、入院0ヶ月・通院1ヶ月(15日)のところをみます。
通院期間は1ヶ月に満たないので、まず126,000円を半分で割ります。1ヶ月は30日であり、15日はその半分だからです。
15日間の通院慰謝料は、126,000円÷2=63,000円となります。
しかしあくまで、この表の金額は「通院1ヶ月のうち15日の通院日数を満たしている場合の算定基準」とされていました。
現在使われている基準でもありませんので、参考程度に考えておくと良いでしょう。
ちなみに、自賠責保険の基準での4,200円を下回って提案されることはありませんのでご安心ください。
③弁護士基準
被害者から相談依頼を受けた弁護士が、相手方と交渉する時に使う基準です。
裁判所でも使う基準で、裁判所基準ともいわれます。
3つの慰謝料算定基準の中で、相場は最も高くなります。
表は、軽傷と重傷にわかれています。
むちうち・捻挫・擦り傷・打撲(うちみ)の場合は、軽傷を参照します。
通院15日の場合は、入院0ヶ月・通院1ヶ月の部分を見るようにしてくださいね。
そして、通院は1か月分の半分の金額になりますので
- 軽傷:95,000円
- 重傷:140,000円
となります!
【通勤期間15日】自賠責保険の基準で慰謝料はいくらになる?
慰謝料|実際の通院日数「2日」
- 通院期間15日
- 通院日数2日
→通院慰謝料は16,800円です。
通院日数を2倍すると4日ですので、15日よりも短いことが分かりますね。
ですので、計算式に使うのは「4日(実通院日数の2倍)」になります。
▶計算式:4,200円✖4(日)=16,800円
慰謝料|実際の通院日数「5日」
- 通院期間15日
- 通院日数5日
→通院慰謝料は42,000円です。
通院日数を2倍すると10日ですので、15日よりも短いことが分かりますね。
ですので、計算式に使うのは「10日(実通院日数の2倍)」になります。
▶計算式:4,200円✖10(日)=42,000円
慰謝料|実際の通院日数「7日」
- 通院期間15日
- 通院日数7日
→通院慰謝料は58,800円です。
通院日数を2倍すると14日ですので、15日よりも短いことが分かりますね。
ですので、計算式に使うのは「14日(実通院日数の2倍)」になります。
▶計算式:4,200円✖14(日)=58,800円
慰謝料|実際の通院日数「8日」
- 通院期間15日
- 通院日数8日
→通院慰謝料は63,000円です。
通院日数を2倍すると16日ですので、通院期間の15日のほうが短いことが分かりますね。
ですので、計算式に使うのは「15日(通院期間)」になります。
▶計算式:4,200円✖15(日)=63,000円
慰謝料|実際の通院日数「10日」
- 通院期間15日
- 通院日数10日
→通院慰謝料は63,000円です。
通院日数を2倍すると20日ですので、通院期間の15日のほうが短いことが分かりますね。
ですので、計算式に使うのは「15日(通院期間)」になります。
▶計算式:4,200円✖15(日)=63,000円
慰謝料|実際の通院日数「15日」
- 通院期間15日
- 通院日数15日
→通院慰謝料は63,000円です。
通院日数を2倍すると30日ですので、通院期間の15日のほうが短いことが分かりますね。
ですので、計算式に使うのは「15日(通院期間)」になります。
▶計算式:4,200円✖15(日)=63,000円
通院期間15日なら8日通院するのがベスト?
「あれ?8日以降、慰謝料って変わらない!?」と思った方もいるでしょう。
現在の計算方法ではその通りです。
8日通院した場合も、15日毎日通院した場合も慰謝料は変わりません。
「じゃぁ8日だけ通院すればいい!」…このような考えは大きな間違いです。
そもそも通院の目的は怪我の治療のためですね。
慰謝料をもらうために通院するわけではなく、治療して治すために通院するのです。
本来10日通院して治すべきところを8日しか通院しなかったため、治りが遅れるかもしれません。
きちんと治らず、後遺症と向き合って生きていくことになるかもしれません。
そうなると本末転倒ではありませんか?医師の指示を守って通院することは、何よりご自身の身体のためにも良いのです。
この部分に関してもう少し詳しく知りたい方は、下記の関連記事もあわせてお読みください。
▼関連記事:通院日数が少ない時の慰謝料
慰謝料計算機なら手間いらず!あなたの慰謝料はいくら?
軽傷でも使える「慰謝料計算機」
通院期間15日の中には、仕事をお休みしなくてはいけない場合もあったかもしれません。
通院のためにやむを得ず休業した場合、「休業損害」として補償を求めることができます。
休業損害については詳しくは以下の記事もお読みください。
▼関連記事:休業補償とは
「慰謝料計算機」を使えば情報を入力するだけで、慰謝料だけではなく、休業損害などをふくんだ「受けとるお金の目安」が分かりますよ。
結果は弁護士基準で算定されているので、もし相手方から金額提案を受けているなら、その金額が適正かを判断するのに役立ちます。
治療費や通院のための交通費、投薬料などは「慰謝料」とは別途求めていくことになります。
通院に関しては、電車・バスなどの公共機関であれば原則として領収書は不要です。
タクシーを使った場合は領収書を保管するようにしてください。
まとめ
通院期間が15日の場合、通院慰謝料はいくらになるかを検討してきました。
任意保険の基準については、現在各保険会社により異なりますので、参考程度にとどめておいてくださいね。
また、15日の通院は交通事故の怪我としては比較的軽傷とみなされます。
その場合は、自賠責保険の基準と任意保険の基準では、ほぼ変わらない金額での提案を受けることになるでしょう。
弁護士基準であれば、もう少し高い慰謝料の獲得が可能かもしれません。
しかし弁護士依頼には「弁護士費用」がかかります。
結局、弁護士費用がかさんでしまった…ということのないよう、弁護士依頼をする前には事前に弁護士に相談をして、費用の見積もりをするほうが良いですね。
通院15日の交通事故慰謝料についてのQ&A
自賠責保険の基準で慰謝料はいくら?
自賠責保険の基準によると、通院期間15日のうちの<実際の通院日数>で金額が決まります。<通院2日:16800円/通院5日:42000円/通院7日:58800円/通院10日:63000円>となります。日額は4200円ですが、計算式のルールにより、必ずしも通院した日数分だけ増額されるわけではないのです。通院日数別の慰謝料解説についても、下記よりご確認ください。
通院すればするだけ慰謝料は増えるの?
そういうわけではありません。例えば、通院期間15日でいうと、実際の通院日数が1日~7日までは、日数と比例して慰謝料の金額は増額されます。しかし8日以降は慰謝料の金額は増えないのです。しかし、大切なことは「8日より多く通院しなくていい」ということではないということです。慰謝料をもらうためでなく治すために通うのですから、医師の指示をよく聞いて適切に治療に取り組んでいきましょう。
慰謝料計算機は軽傷でも使える?
軽傷でも、後遺障害がなくても使えます。情報を入力するだけで簡単に慰謝料の目安が分かって便利です。相手方から示談内容の提案を受けているなら、金額の比較にも使えるので、相手方の提案内容が適正かと見分けるのにも使ってください。