ツイッター

最新情報チェック

交通事故慰謝料の相場【裁判基準・弁護士基準】の算定が妥当の理由

イメージ画像

交通事故慰謝料の相場【裁判基準・弁護士基準】の算定が妥当の理由

イメージ画像

交通事故の慰謝料(=損害賠償)がいくらなのか求めるとき、

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 裁判基準・弁護士基準

こらら3基準のうちのひとつを用いて計算されることになります。

本記事では、「裁判基準・弁護士基準による交通事故の慰謝料」に焦点をあててレポートします。

裁判基準・弁護士基準とは?適正額の慰謝料を得る方法

過去の裁判に基づいた基準。赤本でチェック?

裁判基準は、過去おこなわれた交通事故の損害賠償についての民事裁判で言い渡された判決にもとづいています。裁判基準は弁護士基準とも呼ばれています。

裁判基準・弁護士基準は通称、赤本と呼ばれる「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍に、交通事故の類型に応じた慰謝料の具体的な金額が記載されています。赤本は交通事故に関する専門書ですが、専門書ゆえにむずかしい言葉がたくさん登場します。また、一般の方が手にする機会は少ないです。本記事では赤本に沿って、裁判基準・弁護士基準を簡単にかみ砕いて解説していきたいと思います。

裁判・弁護士基準が採用できるのは弁護士だけ?

裁判基準が弁護士基準と呼ばれるわけは、弁護士が交通事故の示談交渉に介入した場合に適用される基準だからです。弁護士資格を有さない一般の被害者の方が弁護士基準で慰謝料を算定してくれるように保険会社へ主張しても実現することは不可能です。

裁判基準・弁護士基準による慰謝料の算定を採用してもらうためには弁護士への依頼が必須になります。

自賠責基準/任意保険基準とどう違う?

裁判基準・弁護士基準を説明するにあたって合わせて知っておきたいのが、自賠責基準と任意保険基準についてです。これらと裁判基準・弁護士基準の違いを簡潔にいうならば、裁判基準・弁護士基準で算定される交通事故の慰謝料は最も高額であるということです。

慰謝料金額相場の3基準比較

自賠責基準や任意保険基準による算定では十分な慰謝料が得られない可能性が高くなります。

妥当な慰謝料を得るためには裁判基準・弁護士基準による慰謝料の算定方法について詳しく知っておく必要があります。裁判基準・弁護士基準ではどのように交通事故の慰謝料が算定されるのでしょうか。ここからは各損害ごとの計算方法を詳しくみていきたいと思います。

「傷害」に対する慰謝料|裁判基準・弁護士基準の相場

交通事故による被害のうち「傷害」に対する慰謝料としては、

  • 入院・通院慰謝料
  • 休業に対する補償(休業損害)

このような損害が主に対象となります。これらの項目を裁判基準・弁護士基準による算定方法で確認していきます。

裁判基準・弁護士基準による入院・通院慰謝料

入院・通院慰謝料の意味

交通事故で負った怪我そのものに対しては治療で回復がはかられます。

しかし、

  • 交通事故にあったという恐怖や心の痛み
  • 入院が長引いてストレスを感じる
  • 仕事に影響するのではないかという不安

などこのような精神的苦痛までは治療によるケアが行き届きません。そこでこのような精神的苦痛に対しての慰謝料として入院・通院慰謝料の請求が認められています。

入院・通院慰謝料

交通事故の怪我によって被った精神的な苦痛に対する補償

重症/軽症(むちうち)ごとの早見表

裁判基準・弁護士基準では赤本にもとづいて入院・通院した期間から入院・通院慰謝料が求められます。

とくに赤本では重症ケース/軽症ケース(むちうちなど)の2つに基準が分けられているので、怪我の症状に応じて慰謝料の金額が異なるので注意が必要です。

まずは重症ケースの基準表からの確認です。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

ひと月は30日とする

重症ケースでは、障害の部位・程度によってこの表からさらに20~30%程度の増額につながる可能性があるようです。

つづいては軽症ケース(むちうちなど)の基準表の確認です。

軽傷・むちうちの慰謝料算定表

軽傷・むちうちの慰謝料算定表

ひと月は30日とする

軽症ケースはむちうちのほかに、軽い打撲・軽い挫創や挫傷をふくみます。

裁判基準・弁護士基準による休業損害

休業損害の意味

交通事故で怪我を負ったら、場合によっては仕事を休まざるを得なくなることがあります。ほとんどの方は働かなければ収入が途絶えたり、減額してしまうことになります。このような損害に対する補償として休業損害という損害賠償が認められています。

休業損害

交通事故の怪我によって仕事を休まざるを得なくなった期間の収入補償

日額は事故前の収入で決まる

裁判基準・弁護士基準では事故前の収入から日額を決め、実際に休業した日数分を補てんする形で休業損害が求められます。

裁判・弁護士基準

休業損害の計算方法

日額(事故前の収入) × 実休業日数

基本の計算方法はこのとおりですが、職業ごとに日額の求め方が異なるので注意が必要です。

職業別|日額の決め方

給与所得者:事故前3ヶ月の収入 ÷ 90日

個人事業主:事故前年度の確定申告書記載の所得金額 ÷ 365日

家事従事者:賃金センサスの女性の平均賃金

裁判基準・弁護士基準による休業損害の算定は、収入の実態に即した算定になります。自賠責基準の場合の日額5,700円または19,000円を超える収入の方は、裁判基準・弁護士基準による算定を実現させることが慰謝料増額のポイントになります。

「後遺障害」に対する慰謝料|裁判基準・弁護士基準の相場

交通事故によって負うことになった「後遺障害」に対する慰謝料としては、

  • 後遺障害慰謝料
  • 将来的な収入減に対する補償(逸失利益)

このような損害項目があります。とりわけ、後遺障害慰謝料に関しては3つある基準のうちどの基準で算定するかで金額に大きな開きが出ることになります。裁判基準・弁護士基準における後遺障害慰謝料について確認していきます。

裁判基準・弁護士基準による後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料の意味

後遺障害が残るということは、一生、痛みや何らかの症状とともに生きていかなければなりません。このような精神的な苦しみに対しての慰謝料請求が認められています。

後遺障害慰謝料

後遺障害が残ったことで味わう精神的な苦しみに対する金銭的な補償

後遺障害等級別の慰謝料

裁判基準・弁護士基準における後遺障害慰謝料について、後遺障害等級別の基準表を紹介します。

弁護士基準

後遺障害等級別の慰謝料

慰謝料
(万円)
1 2800
2 2370
3 1990
4 1670
5 1400
6 1180
7 1000
8 830
9 690
10 550
11 420
12 290
13 180
14 110

後遺障害の内容に応じて重いほうから1~14級ごとに後遺障害慰謝料の金額が設定されています。

「死亡」に対する慰謝料|裁判基準・弁護士基準の相場

裁判基準・弁護士基準による死亡慰謝料

死亡慰謝料の意味

交通事故で死亡した場合、死亡慰謝料の請求が認められています。

死亡慰謝料

交通事故で死亡させられたことで受けた精神的苦痛に対する金銭的な補償

立場で変わる慰謝料

裁判基準・弁護士基準における死亡慰謝料は、死亡したご本人の立場に合わせて慰謝料の金額が決められています。

弁護士基準

死亡慰謝料

死亡者の立場 慰謝料
(万円)
一家の支柱 2800
母親
配偶者
2500
その他 2000

2500

裁判基準・弁護士基準で定められている死亡慰謝料の注意点としては、死亡されたご本人に対する慰謝料に加えて、ご遺族に対する慰謝料もふくんでの金額であることです

まとめ

交通事故の慰謝料(=損害賠償)を算定するうえで使われる「裁判基準・弁護士基準」について詳しく解説してきました。

裁判基準・弁護士基準は、

  • 最も高額な慰謝料が得られる可能性が高い基準
  • 弁護士が介入することで用いることができる基準

などであることが分かりました。

交通事故の被害に対して正当な金額の慰謝料が支払われるためには、裁判基準・弁護士基準による算定が実現するよう対応していく必要があります。この点に関しては交通事故を専門とする弁護士に相談し、適切な対応方法を教えてもらうことをおすすめします。

交通事故の慰謝料相場|裁判基準・弁護士基準のQ&A

「裁判基準・弁護士基準」ってどんなもの?

裁判基準は、過去おこなわれた交通事故の損害賠償についての民事裁判で言い渡された判決にもとづいており、弁護士基準とも呼ばれています。通称、赤本と呼ばれる「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍に、交通事故の類型に応じた慰謝料の具体的な金額が記載されています。弁護士が示談交渉に介入した場合の基準でもあり、裁判基準・弁護士基準による慰謝料の算定を採用してもらうには弁護士依頼が必須になります。

裁判基準・弁護士基準とは?適正額の慰謝料を得る方法

「裁判基準・弁護士基準」での入院・通院慰謝料相場は?

入院・通院慰謝料とは、交通事故の怪我によって被った精神的な苦痛に対する補償をさします。裁判基準・弁護士基準では赤本にもとづいて入院・通院した期間から入院・通院慰謝料が求められます。

重症ケース/軽症ケース(むちうちなど)の2つに基準が分けられているので、怪我の症状に応じて慰謝料の金額が異なるので注意が必要です。

裁判基準・弁護士基準による入院・通院慰謝料

「裁判基準・弁護士基準」での休業損害の相場は?

休業損害とは、交通事故の怪我によって仕事を休まざるを得なくなった期間の収入補償をさします。裁判基準・弁護士基準では事故前の収入から日額を決め、実際に休業した日数分を補てんする形で休業損害が求められます。裁判基準・弁護士基準による休業損害の算定は、収入の実態に即した算定になります。自賠責基準の場合の日額5700円または19000円を超える収入の方は、裁判基準・弁護士基準による算定を実現させることが慰謝料総額のポイントになります。

裁判基準・弁護士基準による休業損害

「裁判基準・弁護士基準」での後遺障害慰謝料の相場は?

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことで味わう精神的な苦しみに対する金銭的な補償をさします。後遺障害が残るということは、一生、痛みや何らかの症状とともに生きていかなければなりません。このような精神的な苦しみに対しての慰謝料請求が認められています。後遺障害の内容に応じて、重いほうから1~14級ごとに後遺障害慰謝料の金額が設定されています。

裁判基準・弁護士基準による後遺障害慰謝料

「裁判基準・弁護士基準」での死亡慰謝料の相場は?

死亡慰謝料とは、交通事故で死亡させられたことで受けた精神的苦痛に対する金銭的な補償をさします。裁判基準・弁護士基準における死亡慰謝料は、死亡したご本人の立場に合わせて慰謝料の金額が決められています。具体的には、一家の支柱:2800万円/母親・配偶者:2500万円/その他:2000万円~2500万円が相場です。この金額には、ご遺族に対する慰謝料もふくんでの金額です。

裁判基準・弁護士基準による死亡慰謝料

「慰謝料相場」の関連記事

「慰謝料計算」の関連記事