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交通事故慰謝料の計算|後遺障害10級の相場と慰謝料シミュレーション

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交通事故慰謝料の計算|後遺障害10級の相場と慰謝料シミュレーション

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交通事故の慰謝料計算…交通事故にあうまではあまり考えもしなかったことかと思います。

今回は、交通事故で後遺障害10級の慰謝料を計算する時に「絶対に知っておいた方がいいこと」を徹底検証しました!

ちなみに、慰謝料には2種類あるのをご存知でしたか?

<① 入通院慰謝料>

交通事故で怪我をして、病院へ行って、治療を受けたという「精神的な苦痛」に対して支払われるのが入通院慰謝料です。

<② 後遺障害慰謝料>

交通事故で怪我をして、病院へ行き一生懸命治療をしたけれども後遺症が残りました。その後遺症は「後遺障害10級」に該当し、後遺障害10級の認定を受けました。この「後遺障害」が残ったという精神的な苦痛に対して支払われるのが後遺障害慰謝料です。

ざっくりわけるとこのようなイメージです。

入院や通院に関する「入通院慰謝料」のくわしい解説は、関連記事「通院期間ごとの慰謝料」をお役立てください。

ここからは一つずつ、後遺障害10級の後遺障害慰謝料をみていきましょう!

後遺障害10級で受けとれるお金|3つのステップで計算

①後遺障害慰謝料は「損害賠償金の一部」

交通事故損害賠償の内訳

交通事故の「慰謝料」を計算したい…ですが計算しても分かるのは「受けとるお金の一部」に過ぎません。

実際に知りたいのは「最終的にいくらもらえるのか」ということだと思います!

ですので、まずは「もらえるお金の内訳」をおさえておきましょう。

自賠責保険の基準:損害賠償の内訳(傾向)
内訳 具体例や計算式
治療費 治療費用(投薬料・手術費用)
通院のための交通費
診断書作成費用
看護料 2,050円/日
入通院慰謝料 4,200円/日
休業損害 5,700円/日
その他 将来介護費、学費など
後遺障害慰謝料 後遺障害等級により異なる
後遺障害10級:187万円
逸失利益と併せて上限:461万円
逸失利益 交通事故前の収入を元に算定
後遺障害慰謝料と併せて上限:461万円

表記の通り、この金額は「自賠責保険」から支払われる保険金をいいます。

自賠責保険とは、自動車の運転者に加入義務がある保険です。

交通事故の相手方が自動車の場合は、原則必ずこの基準の適用を受けることができます。

治療費については実費になります。

入通院慰謝料・看護料・休業損害については、該当する日数と掛け算することで計算可能です!

それでは、後遺障害が認定された場合に適用される「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」をみてみましょう。

②慰謝料の金額は〇〇で決まる!相場は?

後遺障害慰謝料の金額は「後遺障害等級」で決まります。

後遺障害10級の場合の後遺障害慰謝料の金額を調査してみました。

「10級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
187万円 200万円 550万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

後遺障害慰謝料と言っても金額が3種類あります。

これは金額を算定する基準が3つあるからです。

弁護士基準というのは、弁護士が相手方と交渉したり、裁判で使ったりする基準です。

自賠責保険や任意保険というのは、事故の相手方の保険会社のことです。保険会社が使う基準なので、被害者への示談内容の提案も、自賠責保険の基準または任意保険の基準に基づきます。

もっとも、表内の金額は目安なので、個別の事情を考慮して増減されることもあります。弁護士に依頼した人すべてが550万円受けとれるというわけではありません。

③逸失利益を計算する

逸失利益の計算式は2つあり、被害者の年齢によって使い分けが必要です。

基礎収入 ✖ 労働能力喪失率 ✖ 就労可能年数に対するライプニッツ係数

被害者が18歳未満の未就労者であれば、式が以下のように変わります。

基礎収入 ✖ 労働能力喪失率 ✖ 67歳までのライプニッツ係数ー18歳に達するまでのライプニッツ係数

計算するのに必要な項目を詳しく見てみましょう。

逸失利益計算のポイント
基礎収入 交通事故にあう前の被害者の収入
労働能力喪失率* 27%
就労可能年数 67ー(症状固定時の年齢)
18歳から67歳までを就労可能な年齢と考える

*後遺障害等級ごとに異なる、10級の場合は27%

【計算してみた】後遺障害10級の逸失利益

逸失利益
  • 症状固定時:38歳
  • 交通事故にあう前の収入:400万円
  • 認定等級:後遺障害10級

就労可能年数は、67-38=29年となります。

就労可能年数29年にあたるライプニッツ係数は15.141なので、計算式は次の通りです。

400万円 ✖ 0.27 ✖15.141=1,635万円

逸失利益は1,635万円となります。

【注意】後遺障害10級は461万円って聞いたけど?

後遺障害10級の慰謝料が、自賠責保険の基準だと461万円になると聞いた!こんな声を受けて調査してみました。

結果

後遺障害10級の「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」の合計金額の上限が461万円

つまり、後遺障害慰謝料そのものは先ほどのとおり「187万円」になります。

後遺障害慰謝料が187万円であったら、残りの274万円までで「逸失利益」の補償がなされるということです。

勘違いしやすいのが、後遺障害慰謝料461万円に加えて逸失利益がもらえる…という考え方です。これは誤りですので、気を付けましょう。

④「慰謝料計算機」で慰謝料の適正額を知る

逸失利益や休業損害などの計算は少し面倒…。そんな人におすすめなのが「慰謝料計算機」です。

この慰謝料計算機は「弁護士基準」での結果になるので、もし今、保険会社から金額の提案を受けているなら金額の比較にも使えます!

弁護士への依頼を検討している人なら、受けとれる可能性のある金額がわかって便利ですね。

注意点としては、自賠責保険の基準での計算はもっと低く設定されていることです。

慰謝料計算機を有効に使って、あなたの適正な慰謝料目安を知っておきましょう。

※慰謝料計算機で出た金額には治療費などの実費は含まれず、別途加算になります。

後遺障害10級ってどんな後遺障害?認定のポイントは?

後遺障害10級とは

後遺障害10級の内容をまとめました。

後遺障害10級
内容
1 1眼の視力が0.1以下になったもの
2 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3 咀しゃく又は言語の機能に障害を残すもの
4 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になった物
6 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
7 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
8 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
9 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
10 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
11 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

眼、耳、口腔内に関する後遺障害が半分以上を占めています。

あとは、手指や関節に関する後遺障害になります。

【必読】後遺障害10級認定を目指すなら

どんな症状が何級に該当するかは細かく決められています。

後遺障害等級が1級違えば、慰謝料の金額は大きく変わります。

ですから、適正な後遺障害等級の認定を受けることが大事です。

後遺障害等級認定を受ける時には、事前に被害者の身体に残った後遺障害の状況がどの等級に当てはまるかを確認しましょう。

そして、その等級に該当していることを客観的に主張していく必要があります。

たとえば、10級1号の「1眼の視力が0.1以下になったもの」を例に考えてみます。

後遺障害認定を受ける時の重要資料として「後遺障害診断書」があります。

医師が作成する、被害者の身体に残った後遺障害を示す重要な資料です。

その資料と併せて、交通事故直後から定期的に実施している視力検査結果を併せて送ることは必要でしょう。

「視力が0.1以下になっている」と記述するだけでは、本当に0.1以下になったかの客観性が足りません。

検査結果などの医学的な証明が重要になります。

まとめ

後遺障害10級の「後遺障害慰謝料」についてまとめます。

  • 後遺障害慰謝料は等級ごとに既に基準額が設けられている。
  • 最終的に受けとれるお金の一部に「慰謝料」がある。
  • 後遺障害認定には医学的な証明が重要である。

後遺障害10級の慰謝料には「自賠責保険の基準」「任意保険の基準」、そして「弁護士基準」の3基準があります。どの基準で算定するかで慰謝料はもちろん、受けとるトータルのお金も変わります。原則、保険会社が弁護士基準で計算をして提案してくることはありません。慰謝料に関する正しい知識があれば、「この金額は正しいのだろうか」という疑問が持て、損をしない慰謝料獲得が可能です。

後遺障害10級の後遺障害慰謝料計算についてのQ&A

後遺障害10級の慰謝料相場は?

後遺障害慰謝料の金額は、算定する基準によって違います。自賠責保険の基準:187万円/任意保険の基準:200万円(旧統一基準)/弁護士基準:550万円です。任意保険基準は、各保険会社によって異なり、詳細は非公開とされているため、以前適用されていた「旧基準」でのご紹介です。

慰謝料の金額は〇〇で決まる!相場は?

後遺障害10級の逸失利益の計算方法は?

基礎収入 ✖ 労働能力喪失率 ✖ 就労可能年数に対するライプニッツ係数>の計算式で算出可能です。被害者が18歳未満・未就労の場合は、<基礎収入 ✖ 労働能力喪失率 ✖ 67歳までのライプニッツ係数ー18歳に達するまでのライプニッツ係数>と違う計算式を使います。後遺障害10級の場合、労働能力喪失率は27%が目安です。

逸失利益を計算する

後遺障害10級ってどんな等級?

10級は1号~11号まであります。視力低下/複視/咀しゃく又は言語機能に障害を残すもの/14歯以上への歯科補てつ/聴力低下/足指の用を廃したもの/1下肢の短縮/1上肢の肩・肘・手首の関節機能に著しい障害を残す/1下肢の股・膝・足関節機能に著しい障害を残す、が該当します。詳しい定義は下記より確認してください。

後遺障害10級とは

慰謝料が適正かを判断する方法はある?

まずは慰謝料計算機で目安を知ることが可能です。慰謝料は、自賠責保険の基準・任意保険の基準・弁護士基準のどの基準で算定するかで変動します。3基準のうちで最も相場が高くなるのは「弁護士基準」です。慰謝料計算機は、相場の高い弁護士基準で算定するので、自賠責保険や任意保険の基準と比較しやすいです。

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