ツイッター

最新情報チェック

判例番号92
平成6年7月18日
最高裁判所

供託は受け取らないほうがいい?遅延損害金が減額されるかも

基本情報

判決日時 平成6年7月18日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成3年(オ)第1311号

事故の内容

事件概要 被害者は自転車に乗って横断歩道を横断中、加害者の運転する車に衝突され、傷害を負いました。
場所 横断歩道(交差点外)
被害者 自転車
加害者

裁判の詳細

原告 被害者
被告 加害者,保険会社
請求内容 損害賠償,直接請求
・被害者は、加害者と保険会社を相手取って、連帯して5411万円の支払いを求める訴えを提起しました。 ・第1審判決がなされたあと、被害者は請求を1億3834万円に拡張しました。 ・控訴審の準備手続期日において、保険会社は第1審判決認容額全額をいつでも支払う準備がある旨を言って口頭の提供をし、被害者が受領を拒否したため、その後、供託しました。

争点と結論

主な争点 損害賠償額全額に満たない供託は有効か。
判決文抜粋
加害者が被害者に対し、第一審判決によって支払を命じられた損害賠償金の全額を任意に弁済のため提供した場合には、(中略)原則として、その弁済の提供はその範囲において有効なものであり、被害者においてその受領を拒絶したことを理由にされた弁済のための供託もまた有効なものと解するのが相当である。
ポイント 損害賠償額を裁判で争っている場合、実際の損害賠償額は裁判が終わるまでわからず、損害賠償をしないとなると、後に加害者は多額の遅延損害金を支払うこととなってしまいます。そのため、この判例は、第1審判決認容額全額の弁済の提供及び供託を行った場合には、その後の遅延損害金は発生しない旨を判示しました。