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判例番号87
平成8年10月29日
最高裁判所

自分の「せい」ではないのに損害賠償額が減額される?

基本情報

判決日時 平成8年10月29日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成5年(オ)第1603号

事故の内容

事件概要 被害者はタクシーを運転し、交差点手前で停止していたところ、加害者の運転する車に追突され、傷害を負いました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者
被告 加害者,自動車の所有者
請求内容 損害賠償
・被害者は事故以前から、頚椎後縦靭帯骨化症を患っていました。

争点と結論

主な争点 被害者の体質・疾患を理由として過失相殺ができるとして、いかなる体質・疾患であっても過失相殺をすることができるのか。
判決文抜粋
加害行為前に疾患に伴う症状が発現していたかどうか、疾患が難病であるかどうか、疾患に罹患するにつき被害者の責めに帰すべき事由があるかどうか、加害行為により被害者が被った衝撃の強弱、損害拡大の素因を有しながら社会生活を営んでいる者の多寡等の事情によって左右されるものではない
ポイント 疾患を抱える経緯は様々であり、また疾患の種類も様々です。しかし、この判例はこれらの事情に関係なく、疾患にあたれば損害賠償額が減額されるとしました。疾患が損害の拡大に寄与した場合には必ず過失相殺がなさることとなってしまい、この判例は被害者にとって不利なものということができるでしょう。