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判例番号84
昭和63年4月21日
最高裁判所

本人のせいで損害が増えても、お金はもらえません。

基本情報

判決日時 昭和63年4月21日
裁判所 最高裁判所
事件番号 昭和59年(オ)第33号

事故の内容

事件概要 被害者は夫の運転する車に同乗中、後ろから加害者の運転する車に追突され、傷害を負いました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者
被告 加害者,自動車の所有者
請求内容 損害賠償
・事故当時、被害者の負った傷害は軽く、2〜3週間安静にしていれば治癒するものでした。 ・被害者は、その後、頭部外傷後遺症等を患いますが、これは被害者の医師の非常識な判断、被害者本人の回復への自発的意欲を欠いていたことに起因するものでした。

争点と結論

主な争点 被害者の特異な性格、治療の際の態度等を理由として、過失相殺がなされるのか。
判決文抜粋
「体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害がその加害行為のみによって通常発生する程度、範囲を超えるものであって、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、(中略)民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用」できる。
ポイント 交通事故が起きて、最初は軽い怪我であっても、そのあと、さらなる怪我や病気等を誘引することがあります。この場合であっても、被害者は加害者に対して損害賠償請求をすることができるのですが、怪我の悪化等が被害者の異常な行動等によって引き起こされた場合は、損害賠償額が減額されるとした判例です。