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判例番号76
平成22年9月13日
最高裁判所

損益相殺はどこから行う?いつから行う?

基本情報

判決日時 平成22年9月13日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成20年(受)第494号・第495号

事故の内容

事件概要 被害者は、通勤途中、加害者の運転する車に衝突され、傷害を負いました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者
被告 加害者
請求内容 損害賠償
・被害者には後遺障害が残りました。 ・被害者は、労働者災害補償保険法に基づく療養給付及び休業給付の支払いを受けました(本件各保険給付)。 ・被害者は、障害年金、障害基礎年金、障害厚生年金を受け取ることが確定していました(本件各年金給付)。

争点と結論

主な争点 (1) 本件各保険給付・本件各年金給付につき、損益相殺をする場合、元本から控除するのか、それとも遅延損害金から控除するのか。 (2) 損益相殺の時点は、本件各保険給付・本件各年金給付が支給されたときか、それとも不法行為の時点か。
判決文抜粋
(1) 本件各保険給付については,これによるてん補の対象となる損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する関係にある治療費等の療養に要する費用又は休業損害の元本との間で損益相殺的な調整を行う。 (2) てん補の対象となる損害は不法行為の時にてん補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をする。
ポイント 元本から損益相殺されると判示しているので、遅延損害金は、遅延損害金から損益相殺されるとの考えよりも少なくなります。また、不法行為の時点で損害が填補されると考えるので、損益相殺された部分について遅延損害金は発生しないこととなります。