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判例番号74
平成5年3月24日
最高裁判所

将来受け取る予定の遺族年金額の分だけ、損害賠償額が減っちゃう?

基本情報

判決日時 平成5年3月24日
裁判所 最高裁判所
事件番号 昭和63年(オ)第1749号

事故の内容

事件概要 加害者の運転する車が被害者に衝突し、被害者は死亡しました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者遺族
被告 加害者
請求内容 損害賠償
・原告は、平均余命まで生存していれば支給されたであろう退職年金の現在額及び就労可能年齢70歳までに得られたであろう塾教師収入を考慮して、逸失利益を算出しました。 ・原告は、既支給の自賠責保険金と遺族年金を控除して、損害賠償額を算出しました。 ・被告は、被害者の平均余命までの期間について遺族に支給が予定される将来分の遺族年金も控除すべきと主張しました。

争点と結論

主な争点 (1) 退職年金の喪失は逸失利益に含まれるか (2) 確定した遺族年金を逸失利益につき損益相殺すべきか
判決文抜粋
(1) 相続人は、加害者に対し、退職年金の受給者が生存していればその平均余命期間に受給することができた退職年金の現在額を同人の損害として、その賠償を求めることができる。 (2) 支給を受けることが確定した遺族年金の額の限度で、その者が加害者に対して賠償を求め得る損害額からこれを控除すべきものである
ポイント 平均余命期間まで生きていれば取得していたであろう退職年金は、逸失利益に含まれると判断しました。一方で、損害を受けるのと同一の原因で得た利益である遺族年金は、その支給を受けることが確定されている限度で、損害賠償額から控除されるとしました。