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判例番号73
平成20年2月19日
最高裁判所

自賠法16条1項によって、確実に損害賠償額を受け取ることができる?

基本情報

判決日時 平成20年2月19日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成18年(受)第1994号

事故の内容

事件概要 普通自動二輪車を運転していた被害者Aは、加害者Bの運転する車に衝突し、傷害を負いました。
場所 交差点
被害者 バイク
加害者

裁判の詳細

原告 被害者遺族X
被告 保険会社Y
請求内容 保険金請求
・BはYと自賠責保険の契約を締結していました。 ・大阪市長Cは、老人健康法25条1項に基づき、Aに対して医療給付を行いました。 ・Cは医療給付の範囲で、AのBに対する損害賠償請求権とAのYに対する自賠法16条1項に基づく損害賠償額の支払請求権を取得しました。 ・CはDに損害賠償金の徴収等の委託をし、DはYに対して自賠法16条1項に基づき、Cの支払った医療価額分の支払請求をしました。 ・Aは、Yに対して医療価額を差し引いた分の損害額の支払請求をしました。 ・Aは死亡し、Xが訴訟承継しました。

争点と結論

主な争点 被害者の有している損害賠償請求権と社会保険者の代位による請求権では、どちらが優先されるか。
判決文抜粋
被害者の直接請求権の額と市町村長が取得した直接請求権の額の合計額が自賠責保険金額を超えるときであっても,被害者は,市町村長に優先して自賠責保険の保険会社から自賠責保険金額の限度で自賠法16条1項に基づき損害賠償額の支払を受けることができるものと解する
ポイント 社会保険者が保険会社に対して支払請求をすることができるとしても、被害者の保険会社に対する支払請求が存在すれば、被害者のほうが優先されると判示しました。この判例は、自賠法16条1項の趣旨を被害者が確実に損害の填補を受けるための権利であるとしています。