ツイッター

最新情報チェック

判例番号55
平成12年11月14日
最高裁判所

受け取れなかった遺族厚生年金について損害賠償できる?

基本情報

判決日時 平成12年11月14日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成11年(受)第257号

事故の内容

事件概要 加害者の運転する車が後退していたところ、車の後方を歩行していた被害者が転倒し、被害者は死亡しました。
場所 駐車場
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者遺族
被告 加害者,農業共同組合
請求内容 損害賠償
・加害者と農業共同組合は、自動車損害賠償責任共済契約及び自動車共済契約を結んでいました。 ・被害者は事故当時、国民年金、遺族厚生年金、市議会議員共済の遺族年金を受給していまいた。

争点と結論

主な争点 被害者の死亡による遺族厚生年金、市議会議員共済の遺族年金の受給権の喪失は、損害に含まれるか。
判決文抜粋
他人の不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう右年金は、右不法行為による損害としての逸失利益には当たらないと解するのが相当である。
ポイント 遺族厚生年金は、受給権者自身の生計の維持を目的とするもので、また保険料を支払って受け取る性質のものではなく、存続が不確実なものです。このことから、判例は、死亡後に受け取れなかった遺族厚生年金の額は、損害賠償額に含まれないとしました。