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判例番号38
平成28年3月1日
最高裁判所

認知症患者が事故にあったとき、介護者は損害賠償責任を負うことがある?

基本情報

判決日時 平成28年3月1日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成26年(受)第1434・1435号

事故の内容

事件概要 被害者は、列車と衝突し、死亡しました。
場所 駅構内
被害者
加害者 その他

裁判の詳細

原告 鉄道の運行会社X
被告 被害者遺族Y1〜Y5
請求内容 損害賠償,
・被害者は事故当時、認知症を発症していました。 ・Y2の妻Bが被害者の介護を行っていました。 ・被害者には徘徊の症状が出現していました。 ・被害者が列車にひかれる事故は、Y1とBが目を離したすきに被害者が外出し、その間に発生しました。 ・XはY1〜Y5に対して、被害者に対する監督義務違反があるとして、損害賠償請求をしました。

争点と結論

主な争点 認知症患者の介護者の監督義務はどのように認められるか。
判決文抜粋
ある者が,精神障害者に関し,このような法定の監督義務者に準ずべき者に当たるか否かは,…その者が精神障害者を現に監督しているかあるいは監督することが可能かつ容易であるなど衡平の見地からその者に対し精神障害者の行為に係る責任を問うのが相当といえる客観的状況が認められるか否かという観点から判断すべきである。
ポイント 認知症患者の介護者の監督義務が認められる場合について一般的な規範を出した上で、本件では監督義務違反は認められないとしました。特に重要なのは監督することが可能かつ容易であるか否かにあると考えられます。