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判例番号21
昭和57年11月26日
最高裁判所

加害車両の運行供用者であれば、たとえ被害者であっても、同乗した加害者に対し賠償金を請求できない!

基本情報

判決日時 昭和57年11月26日
裁判所 最高裁判所
事件番号 昭和55年(オ)第1121号

事故の内容

事件概要 加害者運転の普通乗用車がガードレールに車体右側面を激突し横転。同乗者が死亡しました。
場所 一般道
被害者 同乗者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者遺族
被告 加害者Y1,保険会社Y2
請求内容 損害賠償,保険金
被害者が友人Y1から被害者の所有する車を運転させてほしいといわれ、これを渋々承諾して運転させた際に発生した事故です。 本件事案の具体的な事情は以下のとおりです。 ・被害者は友人らの帰宅のために本件自動車を提供していた。 ・Y1は友人達を自分の下宿に連れて行き飲み直すつもりであった。 ・被害者がある程度Y1自身の判断での運転を許したとしても、被害者は事故の防止につき中心的な責任を負う所有者として同乗していた。 ・被害者はいつでもY1に対し運転の交替や運転の具体的指示ができる立場にあった。

争点と結論

主な争点 被害者も加害車両の運行供用者である場合、加害者にとって被害者は自賠法3条の「他人」にあたるか。
判決文抜粋
Y1が被害者の運行支配に服さず同人の指示を守らなかつた等の特段の事情がある場合…でない限り、本件自動車の具体的運行に対する被害者の支配の程度は、運転していたY1のそれに比し優るとも劣らなかつたもの…であつて、かかる運行支配を有する被害者はその運行支配に服すべき立場にあるY1に対する関係(略:で自賠法3条の「他人」にあたらない)。
ポイント 本件のような事実関係の下では、加害者が同乗する車所有者の被害者の指示に従わないなどの特段の事情がない限り、加害者にとって被害者は自賠法3条の「他人」にあたりません。