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判例番号111
平成24年2月20日
最高裁判所

どこまでが代位の範囲なのか。

基本情報

判決日時 平成24年2月20日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成21年(受)第1462号

事故の内容

事件概要 被害者Aは道路を横断中、加害者Y1が運転する車に衝突され、その後死亡しました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者の遺族X1 ・X2
被告 加害者Y1 ,自動車の保有者Y2
請求内容 損害賠償
・AのYらに対する損害賠償額は、7828万円と認定され、過失相殺されて7045万円となりました。 ・上記の損害につき、XらはB共済組合及びY2から合計で917万円の支払いを受けたため、損害元本額は6128万円となりました。 ・X1とC保険会社との間で自動車保険契約が結ばれていました。 ・上記契約の約款では、「保険金請求権者が他人に損害賠償の請求をすることができる場合には、C社は、その損害に対して支払った保険金の額の範囲内で、かつ、保険金請求権者の権利を害さない範囲内で、保険金請求権者がその他人に対して有する権利を取得する。」と定めがありました。 ・Cが算定したAの損害額は6741万円であり、上記917万円の支払いを差し引いた5824万円について、CはXらに支払いました。

争点と結論

主な争点 (1) 遅延損害金請求権は代位による権利移転の対象になるか。 (2) 保険代位に際して基礎とされる損害額は裁判基準損害額か。
判決文抜粋
(1) 損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するものではない。 (2) 保険金請求権者に裁判基準損害額に相当する額が確保されるように、上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が裁判基準損害額を上回る場合に限り、(中略)損害賠償請求権を代位取得すると解する
ポイント 第一に遅延損害金請求権は代位による権利移転の対象とはならないこととされました。 第二に保険代位に際して基礎とされる損害額は裁判基準損害額であるとしまいた。今回の事案では、7828万円から、917万円+5824万円を差し引き、未払いの賠償額7045万円からその額を引いた5958万円について保険会社は保険代位することができます。