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判例番号107
平成9年9月4日
最高裁判所

所有権移転前でも、保険金を受け取れなくなる場合がある

基本情報

判決日時 平成9年9月4日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成5年(オ)第2057号

事故の内容

事件概要 加害者は自動車を運転中、事故を起こし、被害者3名に傷害を負わせました。
場所 不明
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 共済組合と自動車共済契約を締結したX
被告 共済組合Y
請求内容 契約関係の存否
・XとYは、被共済自動車の使用等によって被共済者が賠償義務を負う損害額に相当する共済金を共済組合が支払うこと等を内容としたうえで、Xの所有する自動車を被共済自動車、娘のAを被共済者とする自動車共済契約を締結しました。 ・この共済契約には、被共済自動車が譲渡された場合であっても、共済契約によって生ずる権利・義務は譲受人に移転しない旨が定められていました。 ・また、被共済自動車が譲渡された後に生じた事故については、共済金を支払わない旨が規定されていました。 ・Aの友人であるBはCとの間で、X所有の被共済自動車の売買契約を締結しました。 ・上記の売買契約につき、Xはすでに了承していました。 ・しかし、所有権移転登記手続等を未だしていませんでした。

争点と結論

主な争点 被共済自動車がXからCに「譲渡」されたといえるか。
判決文抜粋
本件約款一般条項五条に規定する譲渡がされたというためには、被共済自動車を譲渡する旨の合意が成立し、譲受人に対する被共済自動車の引渡しがされたことにより、譲受人が右自動車を使用してこれを現実に支配することをもって足りる。
ポイント BC間の売買契約の締結であっても、実際にCが被共済自動車を使用しており、所有者であるXもこれを認めていたのだから、「譲渡」にあたると判示した判例です。一般的な意味の譲渡と今回の条項の「譲渡」の内容がことなる点がポイントになります。