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判例番号88
昭和43年3月15日
最高裁判所

不利な示談をしても、もう一度、損害賠償請求をすることができる場合があります。

基本情報

判決日時 昭和43年3月15日
裁判所 最高裁判所
事件番号 昭和40年(オ)第347号

事故の内容

事件概要 被害者は車に乗り込もうとしたところ、加害者の運転する車に接触し、左腕を負傷しました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告
被告 加害者の雇用主
請求内容 損害賠償
・事故によって生じた傷害について、被害者は軽微な負傷であると考えていました。 ・事故の数日後、被害者と加害者の雇用主との間で示談が成立しました。 ・示談書には、本件事故による治療費その他慰謝料等の一切を自動車損害賠償保険金により支払うこと、これ以降本件に関しては双方何らの意義要求を申し立てない旨の条項が書かれていました。 ・事故後1ヶ月後、Cに後遺症が発症し、負傷が予想外に重大であることが判明しました。

争点と結論

主な争点 示談書中に含まれる事故に関する損害賠償請求権を一切放棄する旨の合意をどのように解釈するべきか。
判決文抜粋
「全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に小額の賠償金をもつて満足する旨の示談がされた場合においては、示談によつて被害者が放棄した損害賠償請求権は、示談当時予想していた損害についてのもののみと解すべきであ」る。
ポイント 示談書中に含まれる事故に関する損害賠償請求権を一切放棄する旨の条項が付されていたとしても、事故当時予想しなかった損害が発生した場合には、条項にかかわらず被害者はその分の損害賠償請求をすることができるとしました。このような条項が付されることの多い示談において、この判決は被害者にとって有利なものです。