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判例番号85
平成4年6月25日
最高裁判所

体質を理由として、損害賠償額が減ってしまう!?

基本情報

判決日時 平成4年6月25日
裁判所 最高裁判所
事件番号 昭和63年(オ)第1094号

事故の内容

事件概要 被害者は停車中、加害者の運転する自動車に衝突され、頭部に衝撃を受け、その3年後に死亡しました。
場所 高速道路
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者遺族
被告 加害者 ,運行供用者,保険会社
請求内容 損害賠償,保険金支払請求
・事故直後、被害者は意識が比較的はっきりしており、加害者や警察官の質問に対しても対応できていました。 ・事故からほどなくして、被害者は記憶喪失に陥り、多様な精神障害を患うこととなりました。 ・事故の前、被害者は車内でエンジンをかけたまま仮眠中、一酸化炭素中毒に罹患したことがありました。

争点と結論

主な争点 被害者の体質・疾患を理由として、過失相殺がなされるのか。
判決文抜粋
「被害者に対する加害行為と被害者のり患していた疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法七二二条二項の過失相殺の規定を類推適用」できる。
ポイント 交通事故と被害者の疾患の2つが原因となって被害者が死亡した場合、損害賠償額が減額されるとした判例です。つまりもともと病気を患っている人が被害者となった場合は、損害賠償額が減る可能性があり、被害者にとって不利な判例といえるでしょう。