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判例番号80
昭和48年4月5日
最高裁判所

一部請求と過失相殺

基本情報

判決日時 昭和48年4月5日
裁判所 最高裁判所
事件番号 昭和43年(オ)第943号

事故の内容

事件概要 被害者は自動車の窓から手を出して運転していたところ、反対車線を走行する自動車と接触し、外に出していた手を負傷しました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者
被告 加害者の雇用主
請求内容 損害賠償
・被害者は右側の窓枠に手をかけたまま運転するという不注意がありました。 ・反対車線を車で走行していた加害者には、センターラインよりのまま車を走行させるという不注意がありました。 ・被害者は逸失利益が1130万円であると主張しましたが、実際には逸失利益150万円分の損害賠償請求しかしませんでした。

争点と結論

主な争点 不法行為に基づく損害賠償請求の一部請求の場合に、過失相殺が主張されたときはどのように処理すべきか。
判決文抜粋
一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたっては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額をこえないときは右残額を認容し、残額が請求額をこえるときは請求の全額を認容することができるものと解すべきである。
ポイント 加害者は、被害者にも不注意があったとして、過失相殺による損害賠償額の減額を主張することがあります。これを損害賠償請求の一部請求訴訟において主張する場合には、裁判所の認定した損害賠償額の全額から、過失割合に基づく減額が行われ、残額につき一部請求の範囲内で、請求が認められるとしました。