ツイッター

最新情報チェック

判例番号18
平成25年5月22日
東京高等裁判所

自然災害によりで走行不能となった車から避難した際に死亡した場合、保険会社に保険金請求できない場合がある!

基本情報

判決日時 平成25年5月22日
裁判所 東京高等裁判所
事件番号 平成25年(ネ)第182号

事故の内容

事件概要 台風による冠水で自動車が走行不能になり、乗車していた一家4名が降車して避難するも、3名が濁流に流され死亡した事案です。
場所 一般道
被害者 同乗者
加害者 その他

裁判の詳細

原告 被害者遺族
被告 保険会社Y
請求内容 保険金
本件車両の所有者Aの妻Bおよび長男Cの相続人が、本件車両の保険会社Yに対し、自賠法16条に基づく保険金請求をしました。 請求の根拠は、B・Cの死亡はAが冠水道路に進入してエンジンを停止させる事故を発生させたことによるものであり、Aが同法3条の運行供用者責任を負うというものです。

争点と結論

主な争点 台風による冠水道路で走行不能車両から避難した際の溺死は、「運行による死亡」といえるか?
判決文抜粋
冠水部分に進入して…停止した時点で、直ちに走行不能に陥ったと断定することまではできない。 したがって、本件車両は、冠水道路に進入したことによりエンジン停止したという本件自損事故を惹起したことを認めることはできない。
ポイント 本件では、車が冠水道路に進入して停止した時点で直ちに走行不能となったとはいえず、Aが事故を起こし、それにより避難せざるを得なくなった際にB・Cが溺死したものではないと判断されました。