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判例番号1
平成9年11月27日
最高裁判所

車の所有者であっても、借主が起こした事故につき損害賠償責任を負わない場合がある!

基本情報

判決日時 平成9年11月27日
裁判所 最高裁判所
事件番号 平成6年(オ)第1860号

事故の内容

事件概要 被害者の友人が運転していた自動車と加害者運転の自動車が正面衝突。搭乗者である被害者が死亡しました。
場所 一般道
被害者
加害者

裁判の詳細

原告 被害者遺族
被告 車の所有者
請求内容 損害賠償
自動車所有者Yは、友人Aに対して、2時間後に返還するとの約束で自動車を無償で貸しましたが、Aは本件事故が起こるまで約1か月間返還しませんでした。 他にも、以下の事情がありました。 ・車両を借り受けた際、Aは2時間後に確実に返還すると嘘をついていた。 ・Aは、返還意思がないのに、その場しのぎの約束をして返還を引き延ばしていた。 ・Yは、Aから連絡を受けるたび、即刻の返還を求めており、継続使用を許していなかった。 ・Yが自ら直接自動車を取り戻す方法はなく、Aによる任意の返還に期待せざるを得なかった。

争点と結論

主な争点 車を無償で借りた者が返還期限を1か月過ぎて起こした事故につき、車の所有者が損害賠償責任を負うか?
判決文抜粋
右事実関係の下においては、本件事故当時の本件自動車の運行は専らAが支配しており、Yは何らその運行を指示、制御し得る立場になく、その運行利益もYに帰属していたとはいえないことが明らかであるから、Yは、自動車損害賠償保障法三条にいう運行供用者に当たらないと解するのが相当である。
ポイント 本件事実のような関係がある場合は、車の所有者には自動車の支配がなく、自動車の運行利益も得ていないため、損害賠償責任を負うことはありません。