交通事故で通院7ヶ月・8ヶ月・9ヶ月…慰謝料相場はどのくらい?
交通事故の負傷では多くの場合、通院を余儀なくされることになるでしょう。数ヶ月におよぶ通院では「通院慰謝料」を請求することができます。
慰謝料はどのくらいの金額がもらえるのでしょうか?
本記事では7ヶ月/8ヶ月/9ヶ月の通院で請求できる通院慰謝料の相場について解説します。
通院によって感じた精神的苦痛に対して通院慰謝料が支払われる?
通院慰謝料を算定する3基準の違いは?
通院7ヶ月/8ヶ月/9ヶ月ごとの通院慰謝料は?
保険会社と示談交渉を控えている方、慰謝料の金額が妥当なのか疑問がある方は、納得のいく示談交渉となるよう本記事が参考になれば幸いです。ぜひ、さいごまでご一読ください。
交通事故の通院慰謝料「計算方」3基準ごとに解説
通院慰謝料相場は用いる基準で約2倍の差?
交通事故によって通院を余儀なくされると通院慰謝料を事故の相手方に請求することができます。
▼入通院慰謝料とは?
通院で受けた「精神的な苦痛に対して得られる補償」
通院慰謝料の算定は基準が用いられます。基準の種類は、
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
この3つで、どの基準を使って慰謝料が算定されるかで金額が異なってくるので注意が必要です。
3基準のうち一番、高額な慰謝料として算定できるのは弁護士基準です。怪我の状態や通院ペースにもよりますが、約2倍の差が生じるようなケースもあります。
具体的な金額の違いを知るためには、それぞれの算定方法をおさえておくべきではないでしょうか。つづいては、3基準別に算定方法を解説します。
【1】自賠責基準|通院慰謝料の計算
まずはじめに解説するのは、自賠責基準による通院慰謝料の計算方法です。自賠責基準では、日額4200円と定めているのが特徴といえます。日額に対して治療にかかった日数・期間にもとづいて計算します。
計算式としては2種類あり、どちらを採用するかは金額が少ない方となると覚えておきましょう。
自賠責基準による計算方法
(実際に治療した日数 × 2) × 4200円
または
治療にかかった期間 × 4200円
3つの基準のうち最も高額な慰謝料が予想される弁護士基準と比較すると、相当低い金額で算定されることになる基準です。
【2】任意保険基準|通院慰謝料の計算方法
つづいて解説するのは、任意保険基準による通院慰謝料の計算方法です。任意保険基準は保険会社がそれぞれ独自で規定している基準がありますが、非公開のため具体的な金額を知ることができません。もっとも、過去に保険会社共通で用いられていた旧任意保険支払基準からさほど変わりはないとも言われています。今回は、旧任意保険支払基準で確認していきたいと思います。
表の読み方は、
- 通院のみ:縦列の月数
- 入院のみ:横列の月数
- 通院+入院:縦横が交差する月数
これら該当月数に示された数字が通院慰謝料の金額となります。
3つの基準のうち最も高額な慰謝料が予想される弁護士基準と比較すると、相当低い金額で算定されることになる基準です。
【3】弁護士基準|通院慰謝料の計算方法
さいごに解説するのは、弁護士基準による通院慰謝料の計算方法です。過去におこなわれた裁判例に基づいて算定基準が作られています。重症/軽症に応じて2通りの基準表が使い分けられています。
軽症→打撲・捻挫・かすり傷の場合
表の読み方は、
- 通院のみ:縦列の月数
- 入院のみ:横列の月数
- 通院+入院:縦横が交差する月数
これら該当月数に示された数字が通院慰謝料の金額となります。
3基準のうち最も高額な慰謝料が予想されるのが弁護士基準です。
通院7ヶ月|通院慰謝料を計算して相場を知る
通院7ヶ月における通院慰謝料を3基準ごとに計算してみました。慰謝料を比較できる表を準備しています。こちらをご確認ください。
慰謝料比較
通院7ヶ月(210日)を計算
基準 | 金額 | |
---|---|---|
自賠責 | 88.2万円* | |
任意保険 | 70.6万円 | |
弁護士 | 軽症 | 97万円 |
重症 | 124万円 |
* 7ヶ月(210日)のうち105日以上の通院があった場合を想定
慰謝料の算定が弁護士基準以外で行われているなら、弁護士基準による算定で約1.4~1.8倍ほどの増額が期待できる可能性があります。
通院8ヶ月|通院慰謝料を計算して相場を知る
通院8ヶ月における通院慰謝料を3基準ごとに計算してみました。慰謝料を比較できる表を準備しています。こちらをご確認ください。
慰謝料比較
通院8ヶ月(240日)を計算
基準 | 金額 | |
---|---|---|
自賠責 | 100.8万円* | |
任意保険 | 76.9万円 | |
弁護士 | 軽症 | 103万円 |
重症 | 132万円 |
* 8ヶ月(240日)のうち120日以上の通院があった場合を想定
慰謝料の算定が弁護士基準以外で行われているなら、弁護士基準による算定で約1.3~1.7倍ほどの増額が期待できる可能性があります。
通院9ヶ月|通院慰謝料を計算して相場を知る
通院9ヶ月における通院慰謝料を3基準ごとに計算してみました。慰謝料を比較できる表を準備しています。こちらをご確認ください。
慰謝料比較
通院9ヶ月(270日)を計算
基準 | 金額 | |
---|---|---|
自賠責 | 113.4万円* | |
任意保険 | 81.9万円 | |
弁護士 | 軽症 | 109万円 |
重症 | 139万円 |
* 9ヶ月(270日)のうち135日以上の通院があった場合を想定
慰謝料の算定が弁護士基準以外で行われているなら、弁護士基準による算定で約1.2~1.7倍ほどの増額が期待できる可能性があります。
まとめ
交通事故を原因とする怪我で7ヶ月・8ヶ月・9ヶ月の通院を要したケースでの慰謝料について解説しました。
- 交通事故の怪我による通院は通院慰謝料の請求が可能
- 通院慰謝料は3つの基準のうちいずれかで算定される
- 弁護士基準の算定が最も高額で適正な慰謝料が得られる
納得のいく慰謝料を得るためには、示談交渉に弁護士が介入することが必要になります。これから保険会社と示談交渉の予定がある方、すでに示談金の提示を受けて金額に納得がいかない等の不満をお持ちの方は、弁護士に一度相談してみてはいかがでしょうか。
交通事故慰謝料|通院7ヶ月・8ヶ月・9ヶ月の相場Q&A
慰謝料を算定する方法は?
通院慰謝料の算定は基準が用いられます。基準は、自賠責基準/任意保険基準/弁護士基準の3つがあり、どの基準を使って慰謝料が算定されるかで金額が異なります。3基準のうち、一番、高額な慰謝料として算定できるのは弁護士基準です。怪我の状態や通院ペースにもよりますが、約2倍の差が生じるようなケースもあります。
慰謝料を増額する方法は?
弁護士基準で算定すると増額するケースは多いです。たとえば、通院7ヶ月・105日以上通院している場合、慰謝料の算定が弁護士基準以外で行われているなら、弁護士基準による算定で約1.4~1.8倍ほどの増額が期待できる可能性があります。
弁護士に依頼すると増額できるってホント?
弁護士基準で慰謝料を算定したとき、最も高額で適正な慰謝料が得られます。納得のいく慰謝料を得るためには、示談交渉に弁護士が介入することが必要なのです。保険会社と示談交渉の予定がある方、すでに示談金の提示を受けて金額に納得がいかない等の不満をお持ちの方は、弁護士に一度相談してみるとよいでしょう。