ツイッター

最新情報チェック

交通事故の治療費打ち切り後を解説!慰謝料への影響は?対処法は?

イメージ画像

交通事故の治療費打ち切り後を解説!慰謝料への影響は?対処法は?

イメージ画像

交通事故に遭いけがをすると、基本的に治療費は治療と並行して加害者側の保険会社が支払ってくれます。

しかし、治療の途中でも治療費の打ち切りを打診される場合があります。

治療費打ち切り後も治療したい場合はどうすれば?

治療費打ち切りは慰謝料にも影響する?

治療費打ち切りはいつ打診される?

この記事では、交通事故の治療費打ち切り後についての疑問に分かりやすくお答えしています。

交通事故の治療費が打ち切られるってホント?

治療費が打ち切られる時期・理由は?

交通事故の治療費は、基本的に治療と並行して加害者側の保険会社が直接病院に支払います。

しかし、そのけがの一般的な治療期間が過ぎる頃になると、治療費の打ち切りを打診されることがあります。「けがの一般的な治療期間」の例を挙げると、以下のようになります。

  • 打撲:1ヶ月
  • むちうち:3ヶ月
  • 骨折:6ヶ月

交通事故では複数のけがをしていることもありますので、大体どれくらいの期間治療が必要なのか、判断しにくいこともあります。

そのため、加害者側の保険会社が被害者の担当医に治療状況を確認し、そろそろ…という頃に打ち切りを打診することもあるようです。

また、治療期間に関係なく、

  • 通院頻度が低い
  • マッサージ、湿布の処方のみなど惰性的な治療
  • 交通事故と治療の関連性が薄い

という場合には、本当に治療が必要な状態ではないと判断され、治療費を打ち切られる可能性があります。

治療費打ち切りは慰謝料にも影響する?

治療費が打ち切られると、基本的にその後、治療を受けても費用を加害者側に支払ってもらうことはできません。

まだ治療が必要なのに治療費が打ち切られたことで治療をやめてしまうと、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料にも影響が出ます。

①入通院慰謝料への影響

入通院慰謝料とは、交通事故による入通院で受けた精神的苦痛に対する補償のことです。

入通院慰謝料の金額は、入院月数や通院月数に応じて決まります。そのため、まだ治療が必要なのに治療費を打ち切られたことで治療をやめてしまうと、その分入通院慰謝料が減ってしまうのです。

入通院慰謝料の計算方法、通院日数との関係についてはこちら

②後遺障害慰謝料への影響

後遺障害慰謝料とは、後遺症が残ったことで今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償のことです。

後遺障害慰謝料を請求するためには、審査を経て「後遺障害等級」という等級が認定されなければなりません。

しかし、まだ治療が必要なのに治療費が打ち切られたために治療をやめてしまうと、たとえ後遺症が残っていても等級が認められない可能性が高くなります。

そもそも後遺症とは、「これ以上治療しても大幅な改善は見込まれない」と判断された症状のことです。そのため、十分に治療をしないまま後遺障害等級を認定してもらおうと思っても、審査機関に「本当にこれ以上治療しても完治しないのか?」という疑問を持たれてしまうのです。

その結果、後遺障害慰謝料を請求できなくなるということも考えられます。

後遺障害慰謝料についてはこちら

治療費の打ち切り後も治療を続けたい!どうすればいい?

治療費打ち切りの延期を交渉する

まだ治療が必要なのに治療費打ち切りを打診された場合、打ち切りの延期を交渉するという手もあります。

中には、わざと早めに打ち切りを打診して、被害者側の主張を受け入れて打ち切りを延期し、本来の打ち切り時期にスムーズに打ち切りを受け入れてもらおうというケースもあるようです。

そのため、一般的な治療期間よりも早めに打ち切りの連絡が来た場合は特に、延期の交渉をしてみると良いかもしれません。

ただ、初めから一般的な治療期間が終わるころに打ち切りを打診された場合や、被害者の医師に治療状況を確認したうえで打ち切りを打診された場合には、延期の交渉は受け入れられにくい傾向にありますのでご注意ください。

また、治療費打ち切りの延期を交渉する際には、

  • まだ治療が必要であることを示す医師の診断書
  • 弁護士による症状固定時期の明言

も有効である可能性があります。

示談交渉で治療費を請求する

治療費の打ち切りを延期してもらえなかった場合には、ひとまず被害者ご自身で治療費を立て替えて治療を受け、示談交渉の際に立て替えた分を加害者側に請求することができます。

治療費を立て替える際は、健康保険を使うと負担が少なくて済みます。なお、交通事故の治療で健康保険を使う場合は、通常とは異なる手続きが必要ですので、ご確認ください。

健康保険利用時の手続き
  1. ① 病院に健康保険を使いたい旨を伝える
  2. ② 「第三者行為による傷病届」を保険組合に提出する

ただ、示談交渉で立て替えた治療費を請求しても、全額加害者側に支払ってもらえるとは限らないという点にご注意ください。

交渉によっては一部しか支払われなかったり、全く支払われなかったりする可能性もあるということです。

ご自身で治療費を立て替える前に、一度弁護士に相談してみたり、示談の際には代行を依頼したりするのも良いかと思います。

仮差押仮払処分をとる

  • 治療費支払いをめぐって訴訟を起こした場合に被害者が勝訴する見込みがある(治療の継続に妥当性がある)
  • ひとまず治療費を立て替えるということもできないほど被害者やその家族が金銭的に困窮している

という状況であれば、「仮差押仮払処分」という方法をとることもできます。

「仮差押仮払処分」が認められると、保険会社の資産を差し押さえて競売にかけ、現金にすることができます。

それを避けるために保険会社は、「仮差押仮払処分」の命令が出ると直ちに治療費を支払うことが多いです。

「仮差押払処分」をするためには、裁判所に申請をして審査を受ける必要があります。

審査では、

  • 損害賠償請求訴訟で被害者が勝訴する見込みがある
  • 被害者やその家族が金銭的に困窮している

ということが認められなければなりません。

治療費打ち切り後の影響と対応まとめ

ここまで、治療費打ち切り後の影響と対処法について解説してきました。要点をまとめると、以下のようになります。

  • 治療費の打ち切りは、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料へも影響する可能性がある
  • 打ち切り後も治療を続けたい場合には、① 打ち切りの延期を交渉する② 一旦、治療費を立て替えて示談交渉で請求する③ 仮差押仮払処分をとるなどの対処法がある

治療終了のタイミングは、本来治療費の打ち切りではなく医師の判断やけがの状態から決められるべきです。

治療費の打ち切りによって十分に治療が受けられない場合は、医師や弁護士に相談してみることをお勧めします。

治療費打ち切りについてのQ&A

治療費はいつ打ち切られる?

加害者側の保険会社から支払ってもらえる治療費は、① 一般的な治療期間が過ぎるころ、② 通院の必要性がないと判断された場合、に打ち切られる可能性があります。一般的な治療期間は、打撲であれば1ヶ月、むちうちであれば3ヶ月、骨折であれば6ヶ月となっています。通院の必要性がないと判断されるのは、通院頻度が低い場合やマッサージ・湿布の処方のの場合などです。

治療費が打ち切られる時期・理由は?

治療費打ち切りは慰謝料に影響する?

治療費が打ち切られたことで、まだ治療が必要なのに治療をやめてしまうと、慰謝料などに影響が出る可能性があります。通院期間が短くなるので入通院慰謝料も少なくなりますし、まだ治療の余地があるのに治療をやめたと判断されてしまうと、後遺障害等級が認定されず、後遺障害慰謝料がもらえなくなる可能性があるのです。

治療費打ち切りは慰謝料にも影響する?

治療費打ち切りを打診されたらどうする?

治療費打ち切りを打診されたけれどまだ治療を続けたい、という場合は、① 治療費打ち切りの延期を交渉する、② ひとまず被害者側で治療費を立て替えながら治療を継続し、示談交渉で治療費を請求する、③ 仮差押仮払処分をとるという方法があります。いずれにしても、弁護士に相談したうえで行うことがお勧めです。

治療費の打ち切り後も治療を続けたい!どうすればいい?

「示談/税金」の関連記事

「慰謝料相場」の関連記事