交通事故お悩みランキング上位!保険会社側の弁護士が出てきたら!?
「交通事故の相手方が弁護士を付けてきた」
「保険会社から弁護士をつけて裁判すると言われている」
こんな状況に戸惑いを感じている被害者の方はいませんか?
ふだん接する機会がほとんどない弁護士が出てきたら、身構えて不安になってしまいますよね。
弁護士の言うことなら信じてOK?
弁護士がついた=裁判になるってこと?
相手方の弁護士に対抗する方法は?
「弁護士の言うことなら信じられるはず」という考えは危険です。
相手方の弁護士は、あくまでも相手方の味方であり、被害者の味方でも中立の存在でもありません!
保険会社の弁護士は信用できる?
結論から言うと「保険会社側の弁護士が信用できるかできないか?」という疑問自体が、前提条件を間違えています。
「法律に詳しくて国家資格もある弁護士先生の言うことならきっと正しいに違いない(だから反論しても無駄)」という考えは、保険会社の罠にはまっています。
保険会社の弁護士は被害者の味方ではない
そもそも弁護士というのは中立的に事の良し悪しを判断する存在ではありません(それは裁判官の役目です)。
「弁護士は依頼者の権利と利益のために働く」と弁護士のルールである弁護士職務基本規程に明記されています。
(正当な利益の実現)
第二十一条
弁護士は、良心に従い、依頼者の権利及び正当な利益を実現するように努める。
出典:弁護士職務基本規程 第21条
弁護士は公正であるべし、とも書かれていますが、これはあくまで「自分の依頼者のために行う職務に公正であれ」という意味です。
いかに依頼者の利益のためであろうと、不当な目的のために職務を行ったり、不当な手段を用いたりすることは許されない、という主旨の話です。
(信義誠実)
第五条
弁護士は、真実を尊重し、信義に従い、誠実かつ公正に職務を行うものとする。
出典:弁護士職務基本規程 第5条
弁護士はあくまで自分の依頼者の味方である、ということがはっきりお分かりいただけたかと思います。
保険会社が弁護士をつける理由
保険会社が弁護士をつける理由は主に「裁判になりやすい重傷・死亡事案」「被害者対応でトラブルが発生した事案」の対処を任せるためです。
重傷・死亡事案の場合は、慰謝料などの賠償金が非常に高額になりやすく、裁判まで発展するケースが多々あります。
このような場合は、裁判になることをはじめから見越して弁護士に交渉を一任しておこう、となるわけです。
保険会社の担当者は示談交渉の経験が豊富とは言え、裁判はやはりプロである弁護士に任せたいというのは自然なことですね。
被害者対応でトラブルが発生する場合には、様々なケースがあります。
- 加害者本人や保険会社の担当者が横柄な態度を取り被害者を激しく怒らせたケース
- 被害者側が治療費や経費などを水増し請求している疑いがもたれているケース
- 被害者側が恫喝や暴力を行使し、通常の手順では交渉が進められないケース
このように、保険会社側が対応すると全体の業務に支障をきたすような場合に、対応を弁護士に切り替える可能性があります。
保険会社が弁護士をつけたら裁判になる?
保険会社が弁護士をつけたからといって、必ず裁判になるわけではありません。
弁護士としても、なるべく示談交渉でスムーズに解決したいと考えるのが基本です。
裁判になる可能性あり
弁護士をつけるということは、「裁判になっても受けて立つ」というサインでもありますから、裁判になる可能性はあります。
とは言え、弁護士としても裁判は最終手段で、時間も労力もかからない示談で解決すればそれに越したことは無いという考えが基本です。
…裁判になった場合、被害者の受け取れる金額が増える(=保険会社が支払う金額が増える)のでなるべく裁判は避けたい、という保険会社側の裏事情もあります…
弁護士がついたからと言って必ず裁判になるわけではありませんが、裁判になる時はまず間違いなく保険会社は弁護士をつけてきます。
裁判のプロである弁護士に依頼しないで裁判を行うことは、労力の問題だけでなく、証拠集めや主張の立証という面で大きな不利を抱えることになります。
保険会社が、あえて不利な方法で自分たちの損になる選択肢を選ぶ意味はありませんから、裁判になる場合は弁護士をつけてくるのです。
重い後遺障害や死亡事故であれば裁判の可能性大
重度の後遺障害や死亡事故の場合、保険会社が支払う賠償金額は数千万円といった高額になるので、裁判になる可能性は高まります。
損失額や過失割合が変わると、最終的に支払う賠償金額に大きく影響するため、計算方法や事実認定で争いが発生しやすいのです。
被告は、亡被害者の本件交通事故前の実収入額によるべきであり、同人の本件交通事故前3か月の実収入の合計が23万8855円であることからすると、年95万5420円が相当である旨主張する。しかしながら、亡被害者は、入社して本件交通事故前まで短期間の勤務のみであり、被告の主張する金額を基礎収入とすることは相当でなく、本件に顕われた事情を総合考慮すると、死亡当時62歳であるから、平成14年賃セ男子労働者高卒程度の60歳から64歳の平均賃金(年404万3300円)を基礎収入とすることが相当である。
出典:名古屋地裁 平成15年(ワ)第1353号
少し長い文章ですが、要するに「加害者側が主張する安い計算方法は不当なので却下」という判決が出た話です。
加害者側は年収95万円で計算した賠償金を払おうとしていましたが、裁判所は約4倍の年収404万円で計算した賠償金額を命じました。
このように、裁判の結果で賠償金が大きく左右されるケースがあるのです。
保険会社の弁護士に対抗するにはどうする?
保険会社の弁護士に対抗するベストな手段は、被害者側も別の弁護士に依頼して交渉を任せることです。
保険会社が弁護士に依頼する理由を逆手にとって、弁護士を自分の味方にしてしまいましょう。
弁護士には弁護士で対抗
保険会社の弁護士について要点を整理してきました。
- 弁護士はあくまで自分の依頼者の味方
- 弁護士に依頼しないで裁判を行うのは、労力の問題と、証拠・立証で不利という問題あり
これらの事情は、加害者側・保険会社側だけでなく、被害者側にも当てはまる話です。
被害者が弁護士に依頼すれば、その弁護士は依頼者(被害者)の権利と正当な利益を守る強力な味方となります。
そして、示談交渉や裁判において、不慣れな被害者自身よりも、プロである弁護士の方が迅速に対処し、的確に主張を立証していけます。
大抵の交通事故・人身事故は弁護士をつけることで慰謝料が大幅に増額する!
実は、大抵の交通事故・人身事故は弁護士をつけることで慰謝料が大幅に増額します。
これは保険会社側の弁護士に対抗して、こちらが弁護士をつけた場合であっても当てはまります。
詳しい仕組みや事情は以下の記事で解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
お金と時間をかけずに弁護士に依頼する方法
「そうは言っても弁護士はお金がかかる…」
「仕事で相談の時間が取れない…」
いくら弁護士に相談した方が良いと言っても、ためらってしまう心境は良く分かります。
その後の人生を大きく左右するかもしれないですし、どの弁護士にするか?ということも迷いますよね。
実は、交通事故の被害者の方の相談は多くの法律事務所が無料で受け付けています。
中には電話やLINEでの無料相談に対応している法律事務所もあり、仕事や家事の合間でも気軽に弁護士に法律相談ができます。
弁護士費用については、成功報酬制で依頼者が損をしないような料金体系が多く採用されており、お金の心配はほとんど必要ありません。
※法律事務所によって詳細は異なりますので、相談の際にご確認ください。
どの弁護士に依頼するか迷う時には、なるべく多くの法律事務所に相談してみてください。
- 対応が親切で丁寧
- 相談に対する返事が早い
- 実績が豊富(ホームページなどを見て)
これらの観点から、自分に合う法律事務所を探してみてください。
電話やLINEであれば、気軽に色々な事務所に問合せ可能なので、解決の一歩目としては最適です。