交通事故で負傷したことで、通院を余儀なくされるケースは多いでしょう。数ヶ月にわたる通院では「通院慰謝料」の請求が可能です。

では、「どのくらいの慰謝料がもらえるのか？」といった金額の相場が気になると思います。

本記事では1ヶ月／2ヶ月／3ヶ月の通院で請求できる通院慰謝料について解説していきます。

これから保険会社と示談交渉に入られる方や、慰謝料について疑問がある方はさいごまで参考にご覧ください。

交通事故が原因で通院を余儀なくされた場合、事故の相手方に通院慰謝料を請求することができます。入通院慰謝料とは、通院によって受けた「精神的苦痛に対する補償」です。

通院慰謝料がいくらなのかを算定するには一定の基準が用いられます。基準には自賠責基準／任意保険基準／弁護士基準の3種類あり、どの基準を使って慰謝料を算定するかで金額に差が出ることになります。

このとおり、最も高額な慰謝料が得られるのは弁護士基準による算定になっています。

つづいては3基準それぞれにおける慰謝料の計算方法について解説していきます。

自賠責基準における通院慰謝料の計算方法は、日額を「一律4200円」として割り出されることになります。計算式は2通りあり、金額が少ない方が採用されます。

3基準のなかで最も低い金額の慰謝料として算定されるのが自賠責基準です。

任意保険基準における通院慰謝料の計算方法は各保険会社それぞれで異なり、どのように計算されているかは公開されていません。もっとも過去に各保険会社が共通で用いていた旧任意保険支払基準を確認することで、大まかな目安を知ることができます。

表の見方としては、

• 通院のみなら縦列の該当月
• 入院のみなら横列の該当月
• 通院＋入院なら縦横が交差する該当月

の数字が通院慰謝料の金額になっています。

3基準のなかで自賠責基準に次いで低い金額の慰謝料として算定されるのが任意保険基準です。

弁護士基準における通院慰謝料の計算方法は、以下の算定基準表を確認することで相場を知ることができます。重症の場合／軽症の場合で2通りの基準表が分けられています。

軽症：打撲・ねんざ・擦り傷の場合

表の見方としては、

• 通院のみなら縦列の該当月
• 入院のみなら横列の該当月
• 通院＋入院なら縦横が交差する該当月

の数字が通院慰謝料の金額になっています。

3基準のなかで最も高い金額の慰謝料として算定されるのが弁護士基準です。

通院1ヶ月における通院慰謝料をシミュレーションしていきたいと思います。3基準ごとの慰謝料比較の表を用意しました。こちらをご確認ください。

自賠責基準・任意保険基準の12.6万円と弁護士基準（重症）の28万円との差は15.4万円です。自賠責基準で保険金の提示を受けている方は、弁護士基準で算定することで約2.2倍程度の増額が見込める可能性があります。

通院2ヶ月における通院慰謝料をシミュレーションしていきたいと思います。3基準ごとの慰謝料比較の表を用意しました。こちらをご確認ください。

自賠責基準・任意保険基準の25.2万円と弁護士基準（重症）の52万円との差は26.8万円です。自賠責基準で保険金の提示を受けている方は、弁護士基準で算定することで約2倍程度の増額が見込める可能性があります。

通院3ヶ月における通院慰謝料をシミュレーションしていきたいと思います。3基準ごとの慰謝料比較の表を用意しました。こちらをご確認ください。

自賠責基準・任意保険基準の37.8万円と弁護士基準（重症）の73万円との差は35.2万円です。自賠責基準で保険金の提示を受けている方は、弁護士基準で算定することで約1.9倍程度の増額が見込める可能性があります。

交通事故の怪我で1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月の通院をした場合の慰謝料について解説してきました。

• 交通事故の怪我で通院した場合は通院慰謝料が請求できる
• 通院慰謝料の算定は自賠責基準／任意保険基準／弁護士基準のいずれかでおこなわれる
• 最も高額な慰謝料が得られるのは弁護士基準による算定

弁護士基準の算定によって慰謝料増額を実現するには、弁護士の介入が必須になってきます。保険会社と保険金について交渉中が不安だという方は弁護士に一度相談してみることをおすすめします。