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交通事故の慰謝料計算|後遺障害等級と3基準|必要な情報を総まとめ

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交通事故の慰謝料計算|後遺障害等級と3基準|必要な情報を総まとめ

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交通事故の慰謝料を計算したい…

  • 怪我は治るかな…
  • 職場はどうしよう…
  • 学校に通えなくなるのかな…

交通事故にあった直後は、こういった不安が沢山あるかと思います。

被害者の方にとって、突然の交通事故発生は戸惑うことばかりです。

そして将来のことが心配になってしまいますよね…。

お金のことも、もちろん心配になってくるでしょう。

今回は、「後遺障害」に焦点を当てて<交通事故の慰謝料計算>を調査。

その結果をお伝えします。

交通事故の慰謝料計算|自分でやるなら「慰謝料計算機」

「慰謝料計算機」ならあなたも簡単に計算できる!

交通事故の慰謝料を計算してみたいなら、まずは「慰謝料計算機」を使ってみることをオススメします。

個人情報の入力は不要、簡単に自動計算できます。

慰謝料計算機には「計算できるお金」と「計算できないお金」があります。

計算機で計算できないお金の例
  • 治療費
  • 投薬料
  • 手術費用
  • 通院交通費
  • 家族の付き添い看護費

ですので、慰謝料計算機による算定結果は「受けとる金額の目安」として、近い金額を損傷賠償請求できるとイメージしてください。

また、この慰謝料計算機は「弁護士に依頼した時の金額」を想定しています。

保険会社からの提示金額とは必ずしも一致しません。

交通事故のお金の全貌|後遺障害慰謝料の基本

「慰謝料」と「後遺障害慰謝料」は違う

交通事故の慰謝料とは、交通事故の被害にあうことで、被害者が負った精神的苦痛への賠償金です。

物損事故(人が怪我をしていない事故)では、基本的には慰謝料は発生しません。

▼人身事故と物損事故の違い

物損事故に伴う精神的苦痛は、財産的損害の填補と同時に填補されると解されています。

ですから、停車していた自分の車に、他人が運転する車がぶつかって壊れても、基本的に受けとれるのは車の修理費代車の費用などであり、「慰謝料」を請求することはできないのです。

慰謝料とは

交通事故の被害者が負った精神的苦痛に対して金銭で補償すること

また、交通事故の慰謝料は一つではありません。

  1. ① 入通院慰謝料
  2. ② 後遺障害慰謝料
  3. ③ 死亡慰謝料
  4. ④ 近親者固有の慰謝料

このように、交通事故における「慰謝料」は複数あります。

いずれも精神的苦痛に対して支払われるものですが、違いを確認していきましょう。

交通事故における「慰謝料」
名称 誰の どんな精神的苦痛
入通院慰謝料 被害者 怪我の治療のための入院・通院
後遺障害慰謝料 被害者 後遺障害が残ったこと
死亡慰謝料 被害者 死亡してしまったこと
近親者固有の慰謝料* 被害者の
近親者
近親者が交通事故の被害者になったこと
それに伴う近親者の生活変化

*傾向(必ず認定されるものではない)

この記事では、慰謝料の中でも後遺障害慰謝料に特化しています。

入通院慰謝料や、死亡慰謝料・近親者固有の慰謝料に関して知りたい方は、以下の記事をお役立てください。

慰謝料は交通事故で受けとるお金の一部

交通事故の損害賠償では、請求できるお金を見落とさないことも重要です。

  • 交通事故で仕事を休まざるを得なかった→休業損害として損傷賠償請求できる
  • 怪我のリハビリが必要→リハビリ費用も損傷賠償請求できる

次のイラストは、交通事故の損害賠償で受けとるお金のイメージです。

こうしてみると「慰謝料」というのは、受けとるお金のほんの一部だということがよく分かります。

交通事故損害賠償の内訳

ここからは、「後遺障害慰謝料」の基本情報、受け取りまでの流れを徹底解説していきます。

後遺障害慰謝料|受けとるための「3ステップ」

後遺障害慰謝料とは

後遺障害慰謝料は、交通事故の慰謝料のうちの一つです。

身体に後遺障害が残った場合に請求が認められるものです。

後遺障害慰謝料には「計算式」は存在しません。

計算する時には、後遺障害の等級ごとに決められた「基準額」を元にして算定します。

つまり、後遺障害慰謝料を計算するには等級認定が必要といえますね。

そこで後遺障害慰謝料を受けとるための3つのステップを紹介します。

①医師が症状固定と判断する

症状固定のタイミング

治療を続けた結果、完治する場合と、これ以上続けても良くも悪くもならない状態のいずれかを迎えることになります。

これ以上続けても良くも悪くもならない状態を症状固定といいます。

症状固定かどうかは、医師の判断が尊重されます。

症状固定で起こる変化

治療費の打ち切り

治療しても効果が得られないという時期にもなるので、被害者にとっては治療費が打ち切られる時期でもあります。

保険会社はこれまでの前例(むちうちなら3ヶ月、骨折なら6ヶ月など)や医療照会を行い、症状固定時期に検討をつけて、被害者に症状固定と同時に治療費の打ち切りを打診してくるパターンが多いようです。

後遺障害の等級認定申請

症状固定を迎えると、後遺障害の等級認定申請が可能です。

後遺障害の認定申請を経て、等級が決定します。

後遺障害等級の認定は医師ではなく、損害保険料率保険機構がおこないます。

医師に「後遺症が残りましたね」と言われても、それは「後遺障害」の認定を受けたことにはならないので、要注意です。

②後遺障害等級認定申請を行う

後遺障害等級認定の申請方法は2つあります。

認定申請の方法

(1)事前認定

(2)被害者請求

流れは以下のイラストをご覧ください。

事前認定の流れ

被害者請求の流れ

2つの方法の違いは、

  • 被害者が後遺障害診断書など申請書類を「提出する先」
  • 後遺障害診断書以外の資料を「用意する人」

にあります。

※「後遺障害診断書」は、どちらの方法でも被害者が医師に作成依頼をしなくてはいけません。

事前認定と被害者請求の違い
事前認定 被害者請求
提出先 相手方の任意保険会社 相手方の自賠責保険会社
資料を用意する人 相手方の任意保険会社 被害者自身
メリット 被害者の手間が最低限 提出資料に工夫ができる
デメリット 最終的にどんな資料で申請されたか不明 被害者の手間がかかる

事前認定は、最小限の手間で後遺障害認定が可能です。

その一方で、最終的に相手方の任意保険会社に任せることになり、どんな資料で申請したかなどは分かりません。

被害者請求は、被害者自身で資料を用意したりするので手間がかかります。

ですが、自分の症状を客観的に伝えるために提出資料に工夫ができるという利点があります。

③後遺障害等級の認定通知を受けとる

後遺障害認定の申請後、早ければ1ヶ月ほどで認定結果が通知されます。

後遺障害が重いほど、審査に時間がかかる傾向にあります。

通知には、認定された後遺障害等級が記載されています。

後遺障害等級に応じて後遺障害慰謝料が算定されます。

基本的には、ここまでですべての損害内容が明らかになりますので、加害者側と交渉を開始できる時期になります。

認定結果への不服を申し立てる

  • 思っていた後遺障害等級で認定されなかった
  • そもそも「非該当」とされ、後遺障害が認定されなかった

こういった場合、認定結果の不服申し立てを行うこともできます。

結果は簡単には覆せませんが、通知書には非該当の理由も書かれていますので、その理由をよく確認して、あらためて主張をしていかなくてはいけません。

もっとも、「1回目の審査(初回審査)」が非常に大事と言われています。

認定申請を受ける時には、しっかり準備をして臨みましょう。

後遺障害慰謝料|後遺障害等級ごとの慰謝料の金額

後遺障害慰謝料の3基準

後遺障害慰謝料は後遺障害等級ごとに一定の目安があります。

そして、同じ等級であっても算定する基準が違えば、金額も変わります。

3つの基準

(1)自賠責保険の基準

(2)任意保険の基準

(3)弁護士基準

自賠責保険の基準・任意保険の基準は、相手方(加害者側)の保険会社が慰謝料などを算定する時に使います。

弁護士基準は、依頼を受けた弁護士が相手方と交渉する時に使ったり、裁判所でも用いられたりする基準です。

ここからは後遺障害等級ごとに

  • 後遺障害慰謝料の金額
  • 後遺障害等級の認定内容

をまとめていきます。

別表第1の1級・1級:認定基準と後遺障害慰謝料

後遺障害1級は、
・別表第1の1級:常に介護を必要とする後遺障害
・1級:そのほかの後遺障害
に分かれています。

【後遺障害】別表第1の1級

まずは、介護を必要とする別表第1の1級です。

介護が必要とは、生命を維持するために介護が必要なことをさします。

後遺障害別表第1の1級
内容
1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

次に後遺障害慰謝料です。

先に説明した通り、3つの基準によって金額はバラバラです。

後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
1,600万円 1,300万円 2,800万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

【後遺障害】1級

次は、その他の後遺障害の<1級>です。

後遺障害1級
内容
1 両目が失明したもの
2 咀しゃく及び言語の機能を廃したもの
3 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
4 両上肢の用を全廃したもの
5 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
6 両下肢の用を全廃したもの

その他の後遺障害といっても、後遺障害1級は最も障害の程度が重い等級です。

介護が必要とされないわけではなく、日常生活を送る上で、周囲の介護が必要な場合もあります。

後遺障害慰謝料は次の通りです。

「1級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
1,100万円 1,300万円 2,800万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

別表第1の1級と比べると、自賠責保険の基準では金額設定は下がっています。

しかし、1,000万円を超える非常に重大な後遺障害といえます。

別表第1の2級・2級:認定基準と後遺障害慰謝料

後遺障害2級は、
・別表第1の2級:随時介護を必要とする後遺障害
・2級:そのほかの後遺障害
に分かれています。

【後遺障害】別表第1の2級

まずは、介護を必要とする別表第1の2級です。

随時、生命を維持するために介護が必要な状態となります。

後遺障害 別表第1の2級
内容
1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2 胸腹部臓器に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

別表第1の2級は2つに分かれます。

どちらも重い後遺障害になります。

後遺障害慰謝料をチェックしましょう。

「別表第1の2級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
1,163万円 1,120万円 2,370万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

弁護士基準は自賠責保険基準の約2倍となっています。

【後遺障害】2級

次に、後遺障害2級の認定基準と後遺障害慰謝料です。

後遺障害2級
内容
1 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2 両目の視力が0.02以下になったもの
3 両上肢を手関節以上で失ったもの
4 両下肢を足関節以上で失ったもの

後遺障害慰謝料の金額も見てみましょう。

「2級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
958万円 1,120万円 2,370万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

後遺障害慰謝料も、自賠責保険の基準が一番相場が低くなっています。

▶もっと知りたい:後遺障害2級の慰謝料

3級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】3級

後遺障害3級は、眼から口腔の機能、神経系統や精神障害、内臓、両手の手指と全身に関連する後遺障害等級です。

後遺障害3級
内容
1 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
2 咀しゃく又は言語の機能を廃したもの
3 神経系統の機能または精神的に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5 両手の手指の全部を失ったもの

基準ごとの後遺障害慰謝料は次の通りです。

「3級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
829万円 950万円 1,990万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

弁護士基準だと1,990万円が基準です。

他の2つの基準だと1,000万円を下回っていますので、相当な違いがありますね。

▶もっと知りたい:後遺障害3級の慰謝料

4級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】4級

4級は1~7号まであります。

関節や手指、足の後遺障害が半分以上を占めています。

後遺障害4級
内容
1 両目の視力が0.06以下になったもの
2 咀しゃくおよび言語の機能に著しい障害を残すもの
3 両耳の聴力を全く失ったもの
4 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
5 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
6 両手の手指の全部の用を廃したもの
7 両足をリスフラン関節以上で失ったもの

続いては、後遺障害慰謝料の比較表です。

「4級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
712万円 800万円 1,670万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

後遺障害4級の後遺障害慰謝料も3基準によって金額が変わります。

▶もっと知りたい:後遺障害4級の慰謝料

5級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】5級

後遺障害5級の認定基準を確認しましょう。

後遺障害5級
内容
1 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
4 1上肢を手関節以上で失ったもの
5 1下肢を足関節以上で失ったもの
6 1上肢の用を全廃したもの
7 1下肢の用を全廃したもの
8 両足の足指の全部を失ったもの

1~8号まであり、そのうち4~8号は「上肢」「下肢」または「両足」に関して定義されています。

次に、後遺障害5級の後遺障害慰謝料を確認してみましょう。

「5級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
599万円 700万円 1,400万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

同じ後遺障害5級ですが、後遺障害慰謝料は基準によって違いますね。

相場をみると、任意保険の基準と弁護士基準では2倍の差がついてしまうようです。

▶もっと知りたい:後遺障害5級の慰謝料

6級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】6級

後遺障害6級と認定される可能性がある症状をチェックしておきましょう。

後遺障害6級
内容
1 両目の視力が0.1以下になったもの
2 咀しゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの
3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
4 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
5 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
7 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの

聴力に関する後遺障害が2つ(3号・4号)あります。

7号や8号は手指の数に言及されている分、当てはまるかどうかは自分でもチェックしやすいでしょう。

次に後遺障害慰謝料です。

「6級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
498万円 600万円 1,180万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

▶もっと知りたい:後遺障害6級の慰謝料

7級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】7級

後遺障害7級認定される症状はどのようなものか、一覧で見ていきましょう。

後遺障害7級
内容
1 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
2 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
3 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
4 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
6 1手のおや指を福井3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの
7 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
8 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
9 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
10 1下肢に偽関節を残し、著しい障害を残すもの
11 両足の足指の全部の用を廃したもの
12 外貌に著しい醜状を残すもの
13 両側の睾丸を失ったもの

後遺障害7級は1~13号まで幅広くあります。

手指の後遺障害は、障害が残っている指の本数によって後遺障害等級が変わります。

隣接する6級の内容もチェックして、自分の症状と照らし合わせておきましょう。

次に、後遺障害慰謝料です。

「7級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
409万円 500万円 1,000万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

後遺障害7級においては、弁護士基準だと1,000万円となります。

自賠責保険の基準や任意保険の基準とは金額が大きく違います。

相手方(加害者側)から金額提示を受けている場合は、自賠責保険の基準や任意保険の基準となっていることが多いです。

▶もっと知りたい:後遺障害7級の慰謝料

8級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】8級

後遺障害8級は1号から10号まであります。

失明、脊柱の運動障害などの症状のほか、手足の指や関節などの障害があります。

隣接する等級(7級・9級)とも見比べてみるとより違いが分かります。

後遺障害8級
内容
1 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
2 脊柱に運動障害を残すもの
3 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの
4 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
5 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
6 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
7 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
8 1上肢に偽関節を残すもの
9 1下肢に偽関節を残すもの
10 1足の足指の全部を失ったもの

8級の後遺障害慰謝料は次の通りです。

「8級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準* 弁護士基準
324万円 400万円 830万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

自賠責保険の基準・任意保険の基準と、弁護士基準との差は2倍以上になっています。

▶もっと知りたい:後遺障害8級の慰謝料

9級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】9級

後遺障害9級は1号から17号まであります。

眼の後遺障害が4つあり、鼻の欠損、口腔機能、耳、外貌醜状など顔面に関する症状の割合が高いです。

後遺障害9級
内容
1 両眼の視力が0.6以下になったもの
2 1眼の視力が0.06以下になったもの
3 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
6 咀しゃく及び言語の機能に障害を残すもの
7 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度にったもの
8 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
9 1耳の聴力を全く失ったもの
10 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの
13 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
14 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
15 1足の足指の全部の用を廃したもの
16 外貌に相当程度の醜状を残すもの
17 生殖器に著しい障害を残すもの

9級の後遺障害慰謝料は次の通りです。

「9級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
245万円 300万円 690万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

基準が違えば、同じ後遺障害等級でもずいぶん金額に差が出ていますね。

▶もっと知りたい:後遺障害9級の慰謝料

10級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】10級

10級の認定内容は1号から10号まであります。

顔面から下半身にかけて、広い範囲の後遺障害が該当します。

後遺障害10級
内容
1 1眼の視力が0.1以下になったもの
2 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3 咀しゃく又は言語の機能に障害を残すもの
4 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になった物
6 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
7 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
8 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
9 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
10 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
11 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

歯科補綴によって該当しうる後遺障害で、10級は最も重い後遺障害等級です。

続いて10級の後遺障害慰謝料を確認しておきましょう。

「10級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
187万円 200万円 550万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

後遺障害10級の慰謝料は基準ごとに異なっています。

自賠責保険の基準と任意保険の基準は13万円ですが、任意保険の基準と弁護士基準の差は350万円となっています。基準ごとの差の開き方にも注目ですね。

▶もっと知りたい:後遺障害10級の慰謝料

11級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】11級

後遺障害11級は1号から10号まであります。

後遺障害11級
内容
1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
6 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
7 脊柱に変形を残すもの
8 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの
9 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
10 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

後遺障害11級の後遺障害慰謝料は、3基準ごとに以下の通りです。

「11級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
135万円 150万円 420万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

自賠責保険の基準は弁護士基準の3分の1以下の金額となっています。

同じ「後遺障害11級」であっても、基準によって金額は様々です。

自賠責保険の基準で420万円以上になるのは、後遺障害6級となっています。

後遺障害慰謝料は適正な等級で認定を受けることも重要ですが、どの基準で算定するかも大事ですね。

▶もっと知りたい:後遺障害11級の慰謝料

12級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】12級

後遺障害12級は1号から14号まであります。

すべての後遺障害等級の中で、最も該当する症状が多い等級です。

後遺障害12級
内容
1 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8 長管骨に変形を残すもの
9 一手のこ指を失ったもの
10 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
12 1足の第1の足指又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
13 局部に頑固な神経症状を残すもの
14 外貌に醜状を残すもの

なかでも、12級13号の認定を目指す人は多いようです。

それは、交通事故の怪我として多いむちうちの後遺症が、12級13号の神経症状に該当する可能性があるからです。

12級の後遺障害慰謝料は次の通りです。

3つの基準ごとに金額が異なっています。

「12級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
93万円 100万円* 290万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

ちなみに、神経症状で該当しうる14級比べると、どの基準でも2倍以上の金額になっています。

14級認定を目指す人もいれば、14級ではなく「12級」で認定を受けたい、と思うのは自然なことかもしれません。

▶もっと知りたい:後遺障害12級の慰謝料

13級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】13級

後遺障害13級に該当しうる症状は以下の通りです。

後遺障害13級
内容
1 1眼の視力が0.6以下になったもの
2 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4 両目のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6 1手のこ指の用を廃したもの
7 1手のおや指の指骨の一部を失ったもの
8 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
9 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
10 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の足指の用を廃したもの
11 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

1号から11号まであり、眼の症状から足の指、臓器に関するものまで幅広い症状が該当します。

次に、後遺障害慰謝料の基準を見てみましょう。

「13級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
57万円 60万円* 180万円

*以前の基準。現在は各保険会社ごとに異なる。

基準ごとに金額が変わります。

弁護士基準の金額は、任意保険の基準の3倍にもなりますね。

▶もっと知りたい:後遺障害13級の慰謝料

14級:認定基準と後遺障害慰謝料

【後遺障害】14級

後遺障害14級の認定内容をみてみましょう。

後遺障害14級
内容
1 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
4 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈することができなくなったもの
8 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
9 局部に神経症状を残すもの

後遺障害14級の中では、14級9号の認定を目指す人が多いようです。

神経症状は、しびれや痛みなどの症状があげられます。

交通事故の怪我で多い「むちうち」には様々な後遺症がありますが、「神経症状」はそのうちのひとつです。

むちうちで後遺障害認定を検討している人は、14級9号または12級13号での認定を目指すことになるようです。

次に後遺障害慰謝料の3基準を見ておきましょう。

「14級」後遺障害慰謝料
自賠責基準 任意保険の基準 弁護士基準
32万円 40万円 110万円

後遺障害14級の後遺障害慰謝料は、弁護士基準で110万円となっています。

自賠責保険の基準の32万円、任意保険の基準40万円とくらべると高い相場になります。

▶もっと知りたい:後遺障害14級の慰謝料

交通事故の慰謝料計算|2つのポイント

交通事故の慰謝料計算のポイントは

・後遺障害等級
・後遺障害慰謝料を算定する基準

この2つと言えるでしょう。

適正な慰謝料を受けとることは社会復帰の第一歩です。

慰謝料計算機などを使って受けとれる金額をイメージしておくと安心ですね。

交通事故の後遺障害慰謝料計算についてのQ&A

交通事故の慰謝料を簡単に計算する方法は?

交通事故の慰謝料の目安がすぐ知りたいなら「慰謝料計算」という自動計算ツールをおすすめします。治療費や通院交通費といった実費など、すべてを計算することはできませんが、目安を知るために役立ちます。

「慰謝料計算機」ならあなたも簡単に計算できる!

慰謝料と後遺障害慰謝料はちがう?

違います。慰謝料というと、精神的な苦痛に対して支払われる金銭です。そのなかでも後遺障害慰謝料は、後遺障害が残った場合のみ認められるお金です。入通院慰謝料とは別に支払われます。

「慰謝料」と「後遺障害慰謝料」は違う

後遺障害慰謝料はどうすればもらえる?

後遺障害認定を受ける必要があります。後遺障害認定は、① 医師から症状固定の診断を受ける② 後遺障害等級認定申請をおこなう③ 後遺障害等級の認定通知を受けとる、の3ステップです。② 申請は2つの申請方法(事前認定または被害者請求)から選択できます。

後遺障害慰謝料|受けとるための「3ステップ」

後遺障害慰謝料の相場はある?

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級ごとに目安が決められています。そして、同じ後遺障害等級でも、自賠責保険の基準・任意保険の基準・弁護士基準で金額はちがいます。後遺障害等級ごとの後遺障害慰謝料を知りたい方は、下記のページをご覧ください。

後遺障害慰謝料|後遺障害等級ごとの慰謝料の金額

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